COLUMN

コラム

home

ホーム

/

コラム

/

BtoBリスティング広告で成果を出す全手法|BtoCと違う運用の鉄則と経営視点の判断軸 

BtoBリスティング広告で成果を出す全手法|BtoCと違う運用の鉄則と経営視点の判断軸 

「BtoBでリスティング広告を回しているが、CPAが高止まりして経営層への説明に苦労している」 「代理店に任せているが、改善提案が少なく成果が頭打ちになっている」


そんな悩みを抱えるBtoBマーケティング責任者の方が、年々増えています。


実際、Google広告全体の平均CPCは2024年から2025年にかけて12.88%上昇し、87%の業界でCPCが上がりました(WordStream「2025 Google Ads Benchmarks」)。BtoBは特に影響が大きく、もはやBtoCの感覚で運用しても勝てない時代に入っています。


本記事では、元大手代理店出身の運用者として、月額数千万円〜1億円規模のBtoB案件を担当してきた経験をもとに、BtoBリスティング広告の鉄則を解説します。


読み終える頃には、以下が明確になっているはずです。


  • BtoBリスティング広告がBtoCとは構造的に別物である理由

  • 業種別CPA・CVRの最新ベンチマーク(国内・海外)

  • 成果が出ない7つの構造的原因と、勝ち筋に変える7つの実践ステップ

  • 自社運用と代理店活用の判断軸

  • 「いい代理店」を見極める基準


なお、自社の現状運用が最適かどうか不安な方向けに、ClimbUp Agencyでは独自の診断書(15ページ以上のPDF)で改善施策を提案する「完全無料アカウント診断」をご用意しています。記事を読み進める前に、まずはサービス内容を確認したい方は資料請求からどうぞ。



BtoBリスティング広告がBtoCとは別物である5つの理由

BtoBリスティング広告は、BtoCと同じ感覚で運用すると必ず失敗します。検索ボリュームの絶対量から、購買プロセス、意思決定者の数まで、構造そのものが違うからです。


本章では、BtoBで結果を出すために理解すべき5つの構造的な違いを整理します。


#

違い

BtoCとの差分

1

検索ボリュームが少ない

月数百〜数千、ニッチKW中心

2

購買プロセスが長い

数週間〜数ヶ月、複数の意思決定者

3

意思決定関与者が複数

担当者・上長・経営層・購買・情シス

4

CPAが高くなりがち

1リード10,000〜40,000円が相場

5

LTVが高い

1件成約で数十万〜数千万円


それぞれ詳しく見ていきましょう。

検索ボリュームの絶対数が少ない(ニッチKW中心の戦い)

BtoB商材は、業界特有の専門用語や業務語が多く、検索KWの月間ボリュームが数百〜数千レベルにとどまるケースが大半です。


たとえば「ERP 中小企業 比較」「経費精算システム クラウド SaaS」のような複合語は月間検索数が限定的で、BtoCの「ダイエット サプリ」のような大量検索KWとは戦い方が根本的に異なります。


少ない検索ボリュームから確実にリードを獲得するには、少数のクリックから成果を引き出す精度設計が不可欠です。広く浅く配信するBtoC的な発想では、予算だけ消化して成果が出ない結果になりがちです。

購買プロセスが長期化する(数週間〜数ヶ月の検討期間)

BtoCが「気に入ったらその場で購入」という即決型なのに対し、BtoBは情報収集→比較検討→社内稟議→決裁という長いプロセスを経ます。BtoB商材はBtoCに比べて検討期間が長く、即決されることは稀であり、一度の接触で成約に至ることはほぼなく、継続的なコミュニケーションが前提となります。


つまり、リスティング広告の役割は「即購入」ではなく「リードリスト化→ナーチャリングへの引き渡し」が中心です。広告単体でCV→受注を完結させようとすると、CPAが膨張し続けて失敗します。

意思決定に複数のステークホルダーが関わる

BtoBの購買決裁には、現場担当者・上長・経営層・購買部門・情シス(システム導入の場合)など、複数人の合意が必要なケースがほとんどです。


つまり、検索する人と決裁する人が違うことが多い。


現場担当者が「便利そう」と感じても、上長が「ROIを説明しろ」と求めれば資料が必要になりますし、情シスが「セキュリティ要件は」と聞けば技術資料が必要になります。リスティング広告の遷移先LPには、複数ステークホルダーが見ても情報が揃っている状態を作っておくことが重要です。

CPAがBtoCの2〜5倍に跳ね上がる構造

BtoBはBtoCに比べて、1リードあたりの獲得単価が大きく跳ね上がる構造があります。


SEOあざらしの調査によれば、日本国内のBtoB業種別CPAは以下のような目安です(Google検索広告ベンチマーク推計値)。


業種

平均CPC

平均CVR

平均CPA

IT・SaaS(技術系)

437円

2.92%

15,309円

人材サービス

235円

5.13%

5,508円

製造業(産業サービス)

295円

3.37%

9,090円

士業・法務サービス

777円

6.98%

9,863円

コンサルティング(BtoB)

3.04%

13,315円

法人向け不動産

273円

2.47%

13,370円


海外ではさらに高く、Firebrand社の2024年B2Bテック広告ベンチマークでは、2024年の検索広告平均CPCは$8.86で、過去8年平均より57%高く、コンバージョン単価は109%増加という結果が出ています。


つまり、BtoBは構造的にCPAが高い。これを「失敗」と捉えるか「投資」と捉えるかは、次に解説するLTV視点で決まります。

LTVが圧倒的に高く、CPAの許容範囲も広い

BtoBはCPAが高い一方で、1件成約あたりのLTV(顧客生涯価値)が数十万〜数千万円と桁違いに大きいのが特徴です。


BtoBリード獲得ガイドの調査によれば、BtoB業界のリード単価は5,000円から40,000円の範囲に分布しており、1件の成約で得られる収益(LTV)が数十万円から数百万円と高額なため、CPLの許容範囲が広くなるとされています。


たとえば、CPAが2万円でも、LTVが300万円であれば投資対効果は150倍。逆にCPAが3,000円でもLTVが1万円なら3倍にしかなりません。


重要なのは、CPA単体の数値ではなく、LTV÷CPAの「投資回収倍率」で評価する経営視点です。この視点なくして、BtoBリスティング広告の議論はできません。次の章で具体的なベンチマークを見ていきましょう。



BtoBリスティング広告のCPA・費用相場【業種別ベンチマーク】

自社のCPA・CVRが業界水準と比べて妥当かを判断するには、まず信頼できるベンチマーク数値を押さえる必要があります。


本章では、国内外の最新データから、BtoBリスティング広告の現実的な相場感を整理します。


  • 日本国内のBtoB業種別CPA・CPC・CVR

  • グローバルベンチマーク(WordStream・Firebrand・PoweredbySearch)

  • 「CPAが高い=失敗」ではない理由(LTV接続の視点)

日本国内のBtoB業種別CPA・CPC・CVR一覧

日本国内のBtoB業種別のリスティング広告平均値は、前章で示した通り、業種ごとに大きな差があります。


特筆すべきは以下の傾向です。


  • IT・SaaS(技術系):CVR 2.92%と低く、CPAも約15,000円と高水準

  • 士業・法務サービス:CPC 777円と高単価だが、CVR 6.98%と転換率が高い

  • 法人向け不動産:CPCはやや低いが、CVR 2.47%と低くCPA高め


商材の検討期間が長い領域ほどCVRは下がり、CPAは高くなる傾向です。逆に、士業のように「困った時にすぐ問い合わせる」性質の商材はCVRが高く、CPAも比較的抑えられます。


SEOあざらしの推計では、BtoB全体の平均CPAは概ね10,000円〜20,000円程度がひとつの目安とされています。

グローバルベンチマーク|B2B SaaS・テックは海外ではどう動いているか

国内データだけでは見えない相場感をつかむには、海外の最新ベンチマークが参考になります。


WordStream「2025 Google Ads Benchmarks」より:


WordStreamの最新調査によれば、2024年から2025年にかけて87%の業界でCPCが上昇し、平均CPLは$66.69から$70.11へと5.13%増加しました。教育・指導分野では25.87%、美容・パーソナルケアは24.62%とCPLが急上昇しています。


Firebrand「2024 B2B Tech Benchmarks」より:


B2Bテック領域に特化したFirebrand社の分析では、2024年のB2Bテック検索広告平均CPCは$8.86で、過去8年平均より57%高く、SaaS領域が最も高単価という結果でした。これはWordStreamの全業界平均より大きく上回ります。


PoweredbySearch「B2B SaaS 2024」より:


PoweredbySearchの分析では、Google広告全体の平均CPCは$4.22、B2B SaaSのCPMは$50.60、B2B検索広告のCTRは2.41%、CPLは$53.52と報告されています。


総じて、B2B SaaS・テック領域はグローバルで競争が激化しており、日本国内の数値より早いペースでCPCが上がっていると読み取れます。日本市場も今後同じ方向に動く可能性が高いため、相場感を早めにキャッチアップしておくことが重要です。

CPAだけを見るのは経営視点では不十分|LTV起点の投資判断

「CPAが業界平均より高い」と聞くと、つい改善対象として処理したくなります。しかしBtoB領域では、CPA単体ではなくLTV÷CPA(投資回収倍率)で判断するのが正しい経営視点です。


例えば次の2社を比較してみてください。


項目

A社

B社

CPA

30,000円

5,000円

受注率(リード→契約)

20%

5%

LTV

500万円

30万円

受注獲得コスト

30,000円÷20% = 15万円

5,000円÷5% = 10万円

投資回収倍率(LTV÷受注獲得コスト)

約33倍

3倍


CPAだけを比べるとB社の方が優秀に見えますが、投資回収倍率ではA社が10倍以上優位です。


弊社が支援する企業様には、「目先のCPAを下げるために安価KWに寄せた結果、受注に繋がらないリード比率が増える」という典型的な失敗を回避していただくため、初期段階からLTV基準のKPI設計を強く推奨しています(弊社調べ)。


経営層への報告でも、CPAではなく「広告投資1円あたりのLTV」「受注獲得コスト」「投資回収倍率」を主要指標にした方が、増額判断が通りやすくなります。



BtoBリスティング広告で成果が出ない7つの原因と構造的解決策

「成果が出ない」と感じる現場には、必ず構造的な原因があります。弊社が新規にお引き受けするBtoB企業様のアカウント診断でも、以下7つのパターンに該当しているケースがほとんどです。


#

失敗パターン

構造的原因

1

BtoCユーザーの流入を許してしまう

KW設定・除外設定の甘さ

2

KW選定がブランド名・指名KWのみ

課題語・比較語の取りこぼし

3

CV設定が「最終CVのみ」

学習データ不足で機械学習が回らない

4

LPがBtoCのテンションのまま

課題解決力・信頼訴求が薄い

5

配信時間・デバイス設定が無防備

業務時間外の無駄クリック流入

6

代理店任せで管理画面外が手つかず

LP・タグ・GA設計が改善されない

7

レポートを読んでも改善判断できない

数値の意味付けと打ち手がリンクしていない


それぞれ詳しく解説します。

失敗1|BtoCユーザーの誤クリックを除外できていない

BtoB商材の検索クエリには、しばしばBtoCユーザーの検索が紛れ込みます。


たとえば「バックアップツール」というKWで広告を出すと、企業データ用のバックアップを探す担当者だけでなく、個人スマホ用のバックアップを探す一般消費者がクリックしてしまう。これはBtoBにとって完全な無駄クリックです。


BizBoostが指摘するように、BtoCユーザーの流入を放置すると、本来ターゲットとなるBtoBユーザー(企業)に広告が表示されにくい状況に陥り、結果としてリスティング広告は「費用対効果の悪い広告」「BtoBには適さない広告」といった間違った認識に繋がりがちです。


対策は、除外KWの徹底設計オーディエンス設定の活用です。「個人」「無料」「フリー」「スマホ」など、BtoCユーザーが含みがちな語を除外し、可能であれば法人IPセグメントや業務関連サイト閲覧者へのターゲティングを併用します。

失敗2|指名KW・ブランド名KWしか拾えていない

代理店任せのアカウントを診断すると、指名KW(自社サービス名)とブランド名KW中心の出稿になっているケースが頻繁にあります。


指名KWはCPAが低く見栄えが良いため、代理店としては成果報告がしやすい。しかし、指名KWで検索する人はすでに自社を知っているユーザーであり、広告がなくても自然流入する可能性が高いリードです。


本来狙うべきは、以下のような階層のKWです。


  • 指名KW:自社サービス名/会社名

  • 課題KW:「リード獲得 方法」「経費精算 効率化」など、課題で検索する層

  • 比較KW:「[競合A] vs [競合B]」「[サービス種別] 比較」など、比較検討段階の層

  • 業務KW:「請求書発行 自動化」など、具体業務に紐づくKW

  • 一般KW:「BtoBマーケティング」など、認知獲得段階のKW


新規リードを増やすには、課題KW・比較KW・業務KWへの予算配分を増やす必要があります。

失敗3|CVを最終CVだけに置いて学習データが足りない

BtoBの最終CV(商談化・受注)は月数件しか発生しないケースが多く、Google広告の機械学習が回るための学習データが圧倒的に不足します。


レバテックも指摘するように、マイクロコンバージョンとは、最終的なコンバージョンに至るまでの中間地点に設定する成果指標のことであり、BtoBでは必須の概念です。


設定すべきマイクロCVの例:


  • 資料ダウンロード

  • ホワイトペーパーダウンロード

  • ウェビナー予約

  • 価格表ダウンロード

  • 事例集ダウンロード

  • メルマガ登録

  • 製品比較ガイドダウンロード


これらを階段状に設定し、Google広告には「資料DL」レベルのCVを学習させて入札最適化を回す。最終CV(商談化・受注)は別途、MAツールやCRMで計測する設計が現実的です。

失敗4|LPがBtoCのテンションのまま(信頼・課題解決の訴求が薄い)

BtoB LPの大きな失敗パターンは、BtoC的な「キャッチコピー+商品メリット羅列+購入ボタン」の構成のままになっていることです。


BtoB購買担当者は、決裁を取るための情報を求めています。具体的には次のような要素が必須です。


  • 導入企業ロゴ(信頼性の根拠)

  • 導入後の数値成果(ROI根拠)

  • 業種別・規模別の導入事例

  • 機能詳細・スペック表

  • セキュリティ・コンプライアンス情報

  • よくある質問(FAQ)

  • フォームの最適化(必須項目を絞る)


オンジン社の解説でも、BtoB商材のリスティング広告で使うLPで課題解決力を訴求するために配置すべきコンテンツとして、機能・ノウハウ・事例の重要性が強調されています。

失敗5|配信時間・デバイス・地域設定が無防備

BtoBは「業務時間内の決裁者・担当者の検索」が中心であり、配信時間帯の設定が成果を大きく左右します。


平日深夜・休日に予算が消化されていても、その時間帯はBtoCユーザーや、業務外の探索行動が多く、CVに繋がりにくいケースが大半です。


primenumbers社のBtoBリスティング広告コツ記事でも、インターネットの利用時間帯は、平日なら7時台・12時台・20時~22時台に大きな山があることが総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」から指摘されており、配信時間の最適化が推奨されています。


デバイスもPC比率を高めに、地域も主要商圏に絞ることで、無駄な予算消化を防げます。

失敗6|代理店任せで管理画面外(LP・タグ・GA・Clarity)が手つかず

これが、BtoBリスティング広告で最も成果差が出るポイントです。


一般的な代理店は「管理画面の中(入札・KW・広告文)」を改善するのが主業務で、LP・GAタグ・Microsoft Clarity・LPOツールなど管理画面の外には踏み込まないケースが大半です。


しかし実際は、管理画面外の改善こそが成果を大きく変えます。


  • GAイベント設計・タグ整備:マイクロCVを正確に計測できる基盤がなければ、機械学習も最適化も回らない

  • Microsoft Clarity:LPでユーザーがどこで離脱しているかをヒートマップ・録画で可視化

  • LPOツール(Dejam等):LP内のABテスト・改善実装を高速化

  • Google Search Console連携:自然検索のKWと広告のKWを統合分析


弊社が支援したAmeripros合同会社様(美容医療クリニック経営支援BtoB)の事例では、こうした管理画面外の整備を初期に徹底したことで、Google広告CPA約30%改善・コスト約20%削減という成果を実現できました(弊社調べ)。

失敗7|レポートを読んでも「次の打ち手」が見えない

最後の失敗パターンは、レポートと改善アクションがリンクしていないケースです。


「今月のCV数はXXX件、CPAはXX円でした」という事実報告だけで、なぜそうなったか・次に何をすべきかが書かれていないレポートを、毎月のように見かけます。


AD HANDSの「中小企業のインターネット広告代理店活用に関する本音調査」によれば、広告主が代理店に抱く不満ランキングは以下のとおりです。


1位:金額が高い 2位:広告効果が悪い 3位:新しい提案があまりない 4位:レスポンスが遅い 5位:レポートの内容が薄い


3位「新しい提案があまりない」と5位「レポートの内容が薄い」は同根の問題で、「数値の意味付け」「打ち手の論点提示」が欠落していることが原因です。


ClimbUp Agencyでは、こうした課題への対応として「変更履歴PDCAシート」で施策ログを資産化し、毎週「何を変えた・どう動いた・次に何をする」を明示する運用を、3つのお約束のひとつとして全クライアントに徹底しています(弊社調べ)。


「成果が出ない原因が、上記7つのどれに該当するか分からない」という方は、ClimbUp Agencyの完全無料アカウント診断で現状を構造的に可視化できます。15ページ以上の診断書PDFを最短1営業日でお届けします。



BtoBリスティング広告で成果を出す7つの実践ステップ

失敗原因を特定したら、次は具体的な改善アクションに落とし込みます。BtoBで結果を出すための実践ステップを7つに整理しました。


  1. 顧客解像度を上げる(業種・職責・課題言語)

  2. KW階層設計(指名/課題/比較/業務/一般)

  3. CV階段設計(マイクロCV→ホワイトペーパー→ウェビナー→商談)

  4. 広告文設計(BtoBに刺さる訴求軸の選び方)

  5. LP設計(信頼訴求・実績訴求・フォーム最適化)

  6. 配信設定(時間・曜日・デバイス・地域・除外)

  7. 改善サイクル(管理画面内+外の包括的PDCA)


それぞれ順に解説します。

ステップ1|顧客解像度を上げる(業種・職責・課題言語)

成果の差は、運用前の顧客解像度で決まります。


「誰が・どんな課題で・どんな言葉で検索するか」を解像度高く言語化できているかどうか。これが入札・KW・広告文・LP全ての精度を左右します。


具体的には、次の3つを明文化することから始めます。


  • 業種・規模・部門の解像度:年商10〜30億円のSaaS企業のマーケ部門担当者なのか、年商100億円超の製造業の購買部門なのか

  • 職責と意思決定権限の解像度:情報収集する担当者なのか、決裁できる役員なのか

  • 課題言語の解像度:その人が実際に検索窓に打ち込む言葉は何か


特に課題言語は、自社の営業担当へヒアリングするだけで質の高い情報が得られます。営業現場で聞かれる質問・懸念事項・比較検討時の論点が、そのまま検索KWの原型になります。

ステップ2|KW階層設計(指名/課題/比較/業務/一般)

前章で触れたとおり、KWは5階層で設計します。


階層

役割

指名KW

[自社サービス名]/[会社名]

既存検索の取り逃し防止

課題KW

「リード獲得 方法」

顕在課題層への接触

比較KW

「[サービス種別] 比較」

比較検討層への接触

業務KW

「経費精算 効率化」

具体業務に紐づくニーズ

一般KW

「BtoBマーケティング」

認知獲得層への露出


予算配分の目安は、課題KW・比較KW・業務KWに6〜7割、指名KWに2割、一般KWに1〜2割が、新規リード獲得を狙う場合の基本形です(弊社調べ)。


各階層ごとに広告文の訴求軸も変えることで、CTR・CVRが大きく改善します。

ステップ3|CV階段設計|マイクロCV→WP→ウェビナー→商談

BtoBの長い検討プロセスに合わせて、CVを階段状に設計します。


広告クリック

   ↓

[マイクロCV1] 資料ダウンロード(最も軽い)

   ↓

[マイクロCV2] 事例集・ホワイトペーパーダウンロード

   ↓

[マイクロCV3] ウェビナー予約

   ↓

[マイクロCV4] 無料診断・無料トライアル申込

   ↓

[最終CV] 商談・問い合わせ

   ↓

受注


この階段設計の最大のメリットは、Google広告の機械学習に十分な学習データを与えられることです。最終CV月数件では学習が回りませんが、マイクロCV月数十〜数百件あれば、機械学習が効率的に最適化を回せます。


また、各段階のCVR(ステージ間の転換率)を計測することで、どこで離脱が起きているかが明確になり、改善ポイントを特定できます。

ステップ4|広告文設計|BtoBで刺さる訴求軸の選び方

BtoB広告文で刺さる訴求軸は、BtoCとは異なります。


BtoCが「感情・トレンド・お得感」を訴求するのに対し、BtoBは以下の軸が中心です。


  • 業務効率化:「経費精算工数を80%削減」

  • コスト削減:「年間運用コスト30%削減」

  • リスク回避:「セキュリティ要件 ISO準拠」

  • 実績数:「導入企業1,000社突破」

  • 専門性:「業界特化10年の知見」


担当者は、これらの訴求を社内稟議で使えるロジックとして求めています。「導入実績」「数値根拠」「業界専門性」を広告文の前半に配置すると、稟議に持っていきやすいリードが取れます。

ステップ5|LP設計|信頼・実績・フォーム最適化

LP設計の基本構造は次のとおりです。


  1. ファーストビュー:訴求の核(誰の・どんな課題を・どう解決するか)

  2. 導入企業ロゴ:信頼性の即時付与

  3. 課題提起→ソリューション提示:読者の状況に共感し、解決策を提示

  4. 機能・特徴の詳細:稟議で使える具体情報

  5. 導入事例(業種別・規模別):自分の状況に近い事例

  6. 導入後の数値成果:ROI根拠

  7. FAQ:稟議で出やすい質問の先回り

  8. フォーム:必須項目を絞り、入力負荷を最小化


弊社が支援した株式会社TYシステムサービス様(シャッター・建材BtoB事業)の事例では、LPに「メーカーではありません」と明記するシンプルな修正で、間違い電話を大幅に削減し、結果として広告経由の成約率を50%から70%まで引き上げることができました(弊社調べ)。LPのちょっとした文言調整で成果が大きく変わるのが、BtoBの面白いところです。


LP改善ではMicrosoft Clarityのヒートマップ・録画機能や、LPOツール「Dejam」を併用すると、推測ではなくデータベースで改善判断できます。

ステップ6|配信設定|時間・曜日・デバイス・地域・除外

具体的な配信設定の基本形は次のとおりです。


  • 配信時間:平日 7〜12時、12〜13時、20〜22時を強化。深夜帯・週末は予算配分を抑える

  • デバイス:PC優先(BtoB決裁者・担当者の業務時間中の検索が多いため)

  • 地域:主要商圏に絞る。全国展開でも、商圏外のクリック率の高さは要警戒

  • 除外KW:「個人」「無料」「副業」「アルバイト」「料金 無料」など、BtoC・予算消化要因を排除


これらの基本設定をきちんと整備するだけで、無駄クリックを20〜30%削減できるケースが多くあります。

ステップ7|改善サイクル|管理画面内+外の包括PDCA

最後のステップは、管理画面内と管理画面外を統合した改善サイクルです。


領域

改善対象

管理画面内

入札/KW/除外KW/広告文/オーディエンス/配信設定

管理画面外

LP/GAイベント設計/タグ整備/Microsoft Clarity分析/Dejamでのテスト/Search Console連携


ClimbUp Agencyでは、これら全領域を「変更履歴PDCAシート」で一元管理し、毎週「何を変えた・どう動いた・次に何をするか」を明示する運用を全クライアントで徹底しています。これにより、施策ログがクライアント社内にナレッジとして蓄積され、リプレイス後の引き継ぎリスクも最小化されます(弊社調べ)。



BtoBリスティング広告の事例|CPA30%改善・成約率50%→70%の現場

ここまで理論を整理してきましたが、実際の現場でどんな改善が起きるかを2つの事例で紹介します。


事例

業種

主な成果

Ameripros合同会社様

美容医療クリニック経営支援BtoB

Google広告CPA約30%改善・コスト約20%削減

株式会社TYシステムサービス様

シャッター・建材BtoB

広告経由の成約率50%→70%

事例1|美容医療経営支援BtoB|Google広告CPA約30%改善・コスト20%削減

Ameripros合同会社様は、美容医療クリニックの経営支援を行うBtoB事業者です。月額広告予算は2,000万円弱。担当のK.S様は外資系戦略コンサルティングファーム出身で、論理的思考力と知的誠実さのある運用パートナーを求めていました。


ClimbUp Agencyが運用を引き継いだ後、Google広告CPAは約30%改善、コストは約20%削減、売上は横ばい〜微増を維持。新規開始したYahoo!広告・Meta広告も目標CPAを達成し、CVが安定する体制を構築できました(弊社調べ)。


特に印象的だったのは、海外出張中に発生したブランドキーワード除外設定のトラブルです。クライアントが海外滞在中にも関わらず、当日〜翌日には原因特定と改善提案を完了。担当のK.S様からは「外資系戦略コンサルファームの人材と比較しても遜色ない総合力」「論理的思考力と知的誠実さ」とご評価をいただきました(弊社調べ)。


この事例で重要なのは、運用の精度だけでなく、論理的に根拠を説明できる対応力が、BtoBの経営層から評価される要因だったことです。

事例2|シャッター・建材BtoB|成約率50%→70%(既存代理店からのリプレイス)

株式会社TYシステムサービス様は、シャッター・住宅建材・ビル用建材の取付・修理・メンテナンス事業を展開するBtoB企業です。担当のマーケティング担当 遊馬様から最初にいただいたご依頼は、ココナラ経由の安価なアカウント診断でした。


その診断書のアウトプット品質をご評価いただき、既存代理店からClimbUp Agencyへ本契約乗り換え(リプレイス)となった事例です。


主な改善施策:


  • エリア設定最適化:商圏外への無駄配信を排除

  • LP「メーカーではありません」明記:間違い電話の大幅削減

  • LP改善(ポップアップ、ボタン文言):CVR向上

  • Microsoft Clarity・Dejam活用:ユーザー行動データに基づくLPO


結果、広告経由の成約率は50%から70%へ向上しました(弊社調べ)。リード単価の改善だけでなく、成約率という売上に直結する指標で大きな成果を出せた事例です。


遊馬様からは「もし今、『代理店からの提案がない』『なんとなく成果が出ている気はするが、もっと上を目指せる気がする』というモヤモヤを抱えているなら、一度ClimbUp Agencyに相談してみることをお勧めします」というコメントをいただいています(弊社調べ)。



BtoBリスティング広告は自社運用か代理店活用か|判断軸の整理

ここまで読んで、「自社で運用するべきか、代理店に任せるべきか」という根本的な問いを抱えている方も多いはずです。本章ではその判断軸を整理します。


視点

自社運用が向くケース

代理店活用が向くケース

広告予算

月20万円未満の小規模

月50万円以上

社内リソース

専任担当者あり

兼任 or 不在

求める専門性

入札・KW調整中心

LP・GA・戦略立案まで

改善スピード

自社判断で機動的

専門知見で深く

経営視点

自社事業に密着

第三者視点

自社運用が向くケース・代理店活用が向くケース

自社運用が向くケース:


  • 広告予算が月20万円未満の小規模

  • マーケティング専任担当者がおり、運用工数を確保できる

  • 業務領域が極めて専門的で、外部に伝えるより自社で運用した方が早い

  • スタートアップ初期で、CMO・マーケ責任者が自ら学習しながら回したい


代理店活用が向くケース:


  • 広告予算が月50万円以上

  • 社内に専任マーケがいない・兼任で運用に時間を割けない

  • 入札・KW調整だけでなく、LP・GA・戦略立案まで包括的に任せたい

  • 第三者視点でセカンドオピニオンが欲しい

  • リソースを事業の中核業務に集中させたい


弊社の経験では、月額広告予算50万円を超えた時点で、代理店活用の費用対効果が立ちやすくなります(弊社調べ)。月50万円×20%=月10万円の代理店手数料で、自社運用より高い投資回収倍率が出せれば代理店活用に経済合理性があります。

「いい代理店」を見極める5つの基準

代理店を選ぶ際の判断基準は次の5つです。


  1. 担当顧客数の制限:1人の運用者が何社まで担当しているか。業界平均は7〜9社と言われており、深くコミットできる体制か

  2. 週次の施策提案頻度:月1回の定例会だけでなく、週次で何かしらの施策提案がある体制か

  3. 管理画面外までカバーする提案力:LP・GA・タグ・ヒートマップ分析まで提案・実装できるか

  4. 論理的に根拠を説明できるか:「なぜその施策を打つのか」を構造的に説明できる代理店か

  5. 透明性:広告管理画面の閲覧権限がクライアントに付与されているか


ClimbUp Agencyでは、業界平均7〜9社に対して担当顧客数を最大4社に制限することで、運用者一人ひとりが深くコミットできる体制を作っています。また「最低週1回以上の施策提案」「変更履歴PDCAシートによる施策ナレッジの蓄積」「顧客MTGへの参加」を3つのお約束として全クライアントに徹底しています(弊社調べ)。

既存代理店からのリプレイスを検討するタイミングと注意点

「今の代理店をすぐ切るべき」と煽る代理店は信用できません。リプレイスは、契約更新時期や運用状況を踏まえた冷静な判断が必要です。


リプレイスを検討する一般的なタイミング:


  • 契約更新時期が近づいた(3ヶ月以内)

  • レスポンスの遅さが目立つようになった

  • 新規の施策提案が減っている

  • レポートが「数値報告だけ」で改善打ち手が示されない

  • 担当者が変わった結果、運用品質が落ちた


リプレイス時に確認すべき注意点:


  • 引き継ぎ期間:管理画面の権限移譲、タグ・GA設計の引き継ぎ、過去施策ログの共有

  • 移行期間中の運用継続性:いきなり全停止せず、新旧並走期間を設けるのが安全

  • 改善余地の事前評価:いきなり契約せず、無料診断などで改善余地を可視化してから判断


リプレイス検討は、まず第三者視点での現状評価から始めるのが最もリスクが低い進め方です。


「自社運用と代理店活用、どちらが最適か」「既存代理店の運用が妥当か」と迷われている方は、まずはClimbUp Agencyのサービス資料で判断軸をご確認いただくか、無料アカウント診断で第三者視点の評価をご活用ください。



まとめ|BtoBリスティング広告を「経営の打ち手」にする

本記事の要点を5つに整理します。


  • BtoBはBtoCと別物。検索ボリューム・購買プロセス・意思決定者数・CPA・LTVの5つで構造が異なる

  • CPA単体での議論ではなく、LTV÷CPAの投資回収倍率で見る経営視点が必須

  • 成果が出ない7つの構造的原因(BtoC流入/指名KW偏重/CV設計/LP/配信設定/管理画面外放置/レポート品質)と、勝ち筋に変える7つの実践ステップ(顧客解像度/KW階層/CV階段/広告文/LP/配信/PDCA)を構造化

  • 管理画面内だけでなく、LP・GA・Microsoft Clarity・Dejamまで含めた包括的改善が成果を分ける

  • 「いい代理店」を見極める5つの基準を持ち、必要に応じてセカンドオピニオンを取得する

今日から取り組める3つのファーストステップ

最後に、本記事を読み終えた今日から取り組める3つのアクションを提示します。


  1. 自社のCPA・CVRを業界ベンチマークと照合する:日本国内・海外グローバルの数値(本記事H2-2参照)と比較し、自社が業界水準に対してどの位置にいるかを把握する

  2. マイクロCV設計を見直す:最終CVだけでなく、資料DL・ホワイトペーパーDL・ウェビナー予約などの中間CVを設定し、機械学習を回せる構造にする

  3. LP・GA・タグの実装状況を棚卸しする:管理画面外の改善余地がどれだけ残っているかを可視化する

次に読みたい関連記事

BtoBリスティング広告は、戦術論だけでは勝てません。経営視点での投資判断軸と、管理画面外まで含めた包括的な改善力が、これからのBtoBマーケティングの成否を分けます。


ClimbUp Agencyは、元大手代理店出身の運用者が、担当顧客数を最大4社に制限することで、深くコミットできる体制を整えています。リスティング広告だけでなく、LP・GA・タグ整備・LPOまで一気通貫で支援することで、BtoB事業者様の事業成長という高い山を、共に登っていきます。


まずはサービス内容をご確認いただける資料請求、または現状の運用を第三者視点で評価できる完全無料アカウント診断(15ページ以上の診断書PDFを最短1営業日でお届け)を、ぜひご活用ください。


▼Climbup Agencyの広告支援サービスをチェック

濱口侑生

新卒で都内の大手Web広告代理店に入社し、運用コンサルタントとしてリスティング広告やMeta広告に従事。月間数千万円から2.5億円規模の大型予算案件を担当し、美容クリニック、不動産、旅行など幅広い業界で成果改善を実現。
「広告主への圧倒的なコミットメント」を追求するため、ClimbupAgency株式会社を創業。運用者一人の担当社数を最大4社に制限し、管理画面上の数値に閉じないマーケティング戦略立案から、タグ設計、LPOまで一気通貫で支援している。ビジョンは「共に歩み、共に登る。」。