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コラム
リスティング広告のCPAを下げる7つの打ち手|業界相場と診断フレームを大公開
「目標CPAに届かない」 「自動入札に切り替えてから、むしろCPAが上がった」 「代理店に改善策を聞いても、抽象的な回答しか返ってこない」
リスティング広告を運用している中小企業のマーケ担当者・経営者から、こうした相談を毎月のように受けます。
CPAは広告運用の中心指標です。ここが下がらなければ事業は伸びません。一方で、闇雲に打ち手を打っても改善しないのもCPAの特徴です。
本記事では、月額300万〜2.5億円規模のアカウント運用経験を持つClimbUp Agency代表の運用知見と、弊社が支援したクライアント3社の実数値事例(CPA1/3、CPA約30%改善、成約率50%→70%)をベースに、CPAを下げるための実践フレームワークを解説します。
読み終える頃には、以下が明確になっているはずです。
自社のCPAが業界平均と比べて妥当かどうか
CPAが高騰している原因を5つの観点で診断する方法
自動入札・P-MAX時代における運用者の仕事
改善施策を打っても下がらない時、代理店を見直すべきタイミング
なお、自社のアカウントが最適に運用されているか不安な方向けに、ClimbUp Agencyでは完全無料のアカウント診断(15ページ以上のPDFレポート・最短1営業日でご提出)を提供しています。記事の最後にご案内しますので、必要に応じてご活用ください。
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リスティング広告のCPAとは?基本の計算式と関連指標
本章ではCPAの基礎を最短で押さえます。
CPAの定義と計算式
CPA = CPC ÷ CVR の因数分解(改善の起点)
CPAとROAS・CPO・CPLの違い
CPAをすでにご存じの方は次章「リスティング広告のCPA相場」へ進んでください。
CPA(Cost Per Acquisition)の意味と計算式
CPAとは「Cost Per Acquisition」の略で、コンバージョン1件を獲得するためにかかった広告費を表します。
計算式は以下の通りです。
CPA = 広告費 ÷ コンバージョン数
たとえば月額100万円の広告費でコンバージョンが100件発生していれば、CPAは1万円です。広告運用の費用対効果を測る最重要指標と言えます。
CPA = CPC ÷ CVR の因数分解こそ改善の起点
CPAの構成要素を因数分解すると、もう一つ別の式が見えてきます。
CPA = CPC(クリック単価) ÷ CVR(コンバージョン率)
この式が重要な理由は、CPA改善の打ち手が「CPC(クリック単価)を下げる」か「CVR(コンバージョン率)を上げる」の2方向しか存在しないことを示している点にあります。本記事の後段で紹介する診断フレームと7つの改善施策は、すべてこの因数分解に基づきます。
CPAが高いと感じたとき、最初にやるべきは「CPCが上がっているのか、CVRが下がっているのか、それとも両方か」の切り分けです。
CPAとROAS・CPO・CPLの違い
CPAと混同されやすい指標を整理します。
指標 | 略称 | 主な用途 |
CPA | Cost Per Acquisition | コンバージョン1件あたりの広告費(汎用) |
ROAS | Return On Ad Spend | 広告費1円あたりの売上(EC・購入型) |
CPO | Cost Per Order | 受注1件あたりの広告費(EC) |
CPL | Cost Per Lead | リード1件あたりの広告費(BtoB・問い合わせ型) |
BtoBのリード獲得型ビジネスならCPL、EC事業ならROASやCPO、リスティング広告全般ではCPAが中心となります。事業モデルに合わせて主要指標を選び、補助指標と組み合わせて見るのが基本です。
リスティング広告のCPA相場|業界別ベンチマーク【最新版】
「自社のCPAは妥当か」を判断するには、業界別の平均値を知ることが第一歩です。本章では以下を解説します。
項目 | 概要 |
全業界平均CPA | 最新WordStreamデータの全業界平均値 |
業界別CPA相場 | 主要業界別の最新平均値 |
日本中小企業のCPA実感値 | 月額50万〜数千万円規模での実数値 |
自社CPA診断のチェック観点 | 平均との差を「悪い」と決めつけない判断軸 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Google広告の全業界平均CPL(最新ベンチマーク)
世界最大規模のリスティング広告データを公開しているWordStream社の最新2026年版調査によれば、Google広告全業界平均のリード単価(CPL)は2026年で66.69ドルとなっており、5年ぶりに前年比で下降しました。
検索ネットワーク全体の平均CPCは5.42ドル、平均CTRは6.64%です。2026年は前年比でかなり安定しており、87%の業界でCVRが上昇しています。AI入札の進化により、CPCの上昇を上回るCVR改善が実現し始めているのが2026年の特徴と言えます。
円換算でおおむね10,000円前後が全業界平均という水準感です。ただしこれはあくまで「全業界平均」であり、自社業界の数値と照合することが必須となります。
出典:WordStream「Google Ads Benchmarks 2026」
業界別CPA相場一覧表(EC・士業・BtoB・不動産・人材ほか)
業界別の最新CPC・CVR・CPLは以下の通りです。
業界 | 平均CPC | 平均CVR | 平均CPL |
法律・士業 | $8.58 | 5.09% | $131.63 |
歯科 | $7.85 | 9.08% | $83.93 |
住宅・リフォーム | $7.85 | 7.33% | $90.92 |
教育 | $6.23 | 11.38% | $90.02 |
美容・パーソナルケア | $5.70 | 7.82% | $60.34 |
ビジネスサービス(BtoB) | $5.58 | 5.14% | $103.54 |
アパレル・ファッション | $4.31 | 3.99% | $101.49 |
ペット用品 | $3.97 | 13.07% | $31.82 |
自動車(修理・部品) | $3.90 | 14.67% | $28.50 |
不動産 | $2.53 | 3.28% | $100.48 |
自動車(販売) | $2.41 | 7.76% | $38.86 |
WordStream 2025年版データでは、法律・士業領域の平均CPCが8.58ドルと最も高く、自動車修理・サービス・部品の平均CVRは14.67%で業界最高水準でした。CVR最低は金融・保険2.55%、家具2.73%、不動産3.28%となっています。
CPCが安くてもCVRが低い業界では、結果的にCPLが100ドルを超えるケースもあり、「CPCの低さ=CPAの低さ」とは限らない点に注意が必要です。
ClimbUp Agencyが運用代行を担うペット用品EC・自動車/バイク用品EC・アパレル・士業・BtoBサービスの各領域では、業界別のCPA水準感に基づいた目標設定が現場で機能しています。
出典:WordStream「Google Ads Benchmarks 2025」
日本の中小企業における月額50万〜2,000万円規模のCPA感覚
海外データだけでは日本の中小企業のリアルが見えにくいため、弊社が支援する月額広告予算別のCPA実感値を共有します。以下はClimbUp Agency自社運用データに基づく感覚値です(弊社調べ)。
月額広告予算 | 主な業種 | CPAレンジの実感値 |
月額50〜200万円規模 | EC・士業・BtoB問い合わせ型 | 数千円〜3万円程度 |
月額200〜500万円規模 | 中堅EC・サービス業・BtoB | 5,000円〜5万円程度 |
月額500〜2,000万円規模 | 大型EC・美容医療・人材 | 1万円〜10万円程度 |
業種・商材単価・LTVで大きく変動するため、上記はあくまで参考レンジです。重要なのは「平均」より「自社事業の限界CPA」との比較にあります。
平均との差を「悪い」と決めつけない3つの判断軸
業界平均より自社CPAが高い場合でも、必ずしも「悪い運用」とは限りません。判断軸は以下の3つです。
第一に、アナグラム社の分析が指摘するとおり、CPAが高騰してもCV数自体が大きく伸びていて、損益分岐点を割り込んでいないケースは少なくありません。利益額で見れば改善している可能性があります。
第二に、LTV(顧客生涯価値)が高いビジネスでは、フロントエンドのCPAが業界平均より高くても十分にペイします。リピート商材・サブスク型・継続契約型はLTVベースで限界CPAを算出すべきです。
第三に、競合密度の高い領域(士業・金融・人材など)は平均より高くなって当然であり、地域・季節要因でも変動します。「平均との単純比較」ではなく「自社の限界CPAを超えていないか」が本質的な判断基準です。
自社CPAが妥当か診断する目標CPAの決め方(LTVベース)
業界平均との比較は出発点にすぎません。本当に重要なのは「自社にとっての目標CPA」を論理的に決めることです。本章では以下を解説します。
限界CPAと目標CPAの違い(経営層に説明できる定義)
LTV(顧客生涯価値)を踏まえた目標CPAの計算ステップ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
限界CPAと目標CPAの違い
CPAの目標値を考えるとき、混同されやすいのが「限界CPA」と「目標CPA」です。
限界CPAは赤字にならない上限値、目標CPAは事業として狙うべき水準を指します。
たとえば平均売上単価10,000円・原価2,000円・経費500円の商材であれば、限界CPAは7,500円(10,000-2,000-500)です。ここから目標利益率20%(=2,000円)を確保するならば、目標CPAは5,500円程度に設定するのが現実的でしょう。
経営層に説明する際は、「限界CPAを超えると赤字、目標CPAを下回ると黒字幅が広がる」という構造で示すと納得感が高まります。
LTVベースの目標CPA計算ステップ(リピート商材の場合)
化粧品・健康食品・SaaS・継続課金型サービスなど、リピート前提のビジネスでは単発購入だけで限界CPAを算出すると、上限を低く設定しすぎるリスクがあります。
LTVを踏まえた限界CPAの計算式は以下です。
限界CPA =(平均売上単価 - 平均原価 - 平均経費)× 平均購入回数
Union Mediaの解説によれば、平均売上単価5,000円・平均原価2,000円・平均経費500円・平均購入回数3回の商材であれば、限界CPAは7,500円となります。
ただしアナグラム社の指摘にあるように、LTV基準で目標CPAを設定した場合、獲得から数か月は赤字の状態が続くケースもあり、5か月目で黒字転換するような計算になることもあります。資金繰りを踏まえて許容幅と広告費の投下額を検討する必要があります。
弊社の経験では、リピート商材を扱う企業の多くが「単発購入基準」でCPA上限を引いており、結果として広告投資の機会損失を起こしているケースが目立ちます。LTV算出は必ず実施すべきです。
リスティング広告のCPAが高騰する5つの原因と診断フレーム
CPAが高い時に闇雲に施策を打っても改善は望めません。まずは「どこがボトルネックか」を診断することが先決です。本章ではCPA = CPC ÷ CVR の因数分解に基づき、原因を5つに整理します。
原因 | チェック観点 |
①CPCが上がっている | 入札戦略・KW競合・品質スコア |
②CVRが下がっている | LP・訴求・媒体マッチ |
③自動入札の学習不全 | データ量・コンバージョン設計 |
④アカウント構造の問題 | キャンペーン・広告グループ設計 |
⑤計測タグの不備 | GTM・GA設定・CV重複 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。

原因①CPCが上がっている(入札・競合・品質スコア)
CPCの上昇要因は主に3つです。
入札単価そのものを引き上げている
競合の参入が増えてオークションが激化している
品質スコアが低下し、同じ掲載順位を取るためのコストが上がっている
最初に確認すべきは品質スコアです。広告文・LP・推定CTRの3要素で算出されるため、ここを改善できればCPCを構造的に下げられます。
原因②CVRが下がっている(LP・訴求・媒体マッチ)
CVRの低下は、ほぼ「広告とLPの不一致」か「LP自体の課題」のどちらかに集約されます。
検索キーワードと広告文と遷移先LPの訴求が噛み合っていない、LPの離脱率が高い、フォーム入力で離脱している、といった現象が代表例です。後述する「③LP改善・LPO」で具体的な打ち手を解説します。
原因③自動入札の学習不全(P-MAX時代特有)
2024年以降、自動入札とP-MAXの普及により発生頻度が増えているのが学習不全による高騰です。
代表的なパターンは以下の3つです。
コンバージョン数が学習に必要な水準(一般的に月30〜50件以上が目安)に達していない
コンバージョン設計が雑で、AIが「成果」と認識する条件を誤学習している
設定変更を頻繁に行い、学習リセットを繰り返している
自動入札は便利ですが、AIに渡す「教師データ」が貧弱だと逆にCPAを引き上げます。
原因④アカウント構造の問題(CPA帯の混在)
アーチライズ社の解説が指摘するとおり、単価の異なるキーワード(家具セット通販とラグマット安いといった)を同じ広告グループに入れてしまうと、自動入札の目標CPA設定を分けられず、両方が中途半端なパフォーマンスになり機械学習も正しく進まなくなります。典型的な失敗パターンと言えます。
アカウント構造は「同じ指標で管理できるキーワードを単位として分ける」が基本です。
原因⑤計測タグの不備(CV重複・取りこぼし)
意外と見落とされがちですが、計測タグの不備でCPAの数値そのものが歪んでいるケースは少なくありません。
代表的な症状は以下です。
GTM設定でCVが二重発火している(CPAが見かけ上良く見える)
GA4とGoogle広告のCV数が乖離している
フォーム完了ページではなくクリック時点でCVが立っている
マイクロCVとマクロCVが混在しており、AIが誤学習している
弊社が新規でアカウント診断を実施する際、計測タグの不備はおおむね3〜4割の確率で発見されます。CPAを語る前に、計測の精度を担保することが大前提です。
リスティング広告のCPAを下げる7つの改善施策【優先順位順】
前章で原因を診断したら、次は打ち手です。本章では効果が出やすい順に7つの施策を整理しました。
施策 | 主な改善対象 |
①除外キーワードの整備 | CPC低下(即効性◎) |
②品質スコア改善 | CPC低下・掲載順位向上 |
③LP改善・LPO | CVR向上 |
④広告文・訴求の最適化 | CTR・CVR向上 |
⑤アカウント構造の再設計 | 自動入札の最適化 |
⑥計測タグ・GA4設定の見直し | データ精度向上 |
⑦自動入札の戦略選択 | CPA最適化 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①除外キーワードの整備(即効性◎)
最も即効性が高いのが除外KWの整備です。
検索語句レポートからCV0かつクリック多のキーワードを除外し、関連性の低い検索語句に対しては部分一致のブレを潰します。デジタリフト社の解説によれば、CVが発生していないキーワードや、CVが出ていてもCPAが高すぎるキーワードはCVRの低下につながるため、停止判断に至る期間を定めたうえで配信を止めることが重要です。
「広告予算の3〜10%が無駄クリックに溶けている」状態は珍しくなく、ここを潰すだけでCPAが1〜2割改善することもあります。
②品質スコア改善(CPCを下げる本丸)
品質スコアは、広告とKWの関連性/LPとKWの関連性/推定CTRの3要素で決まります。
広告文にKWを含め、検索意図と訴求を一致させる
LPのファーストビューにKWを反映する
広告文のCTRを改善するためのA/Bテストを継続する
品質スコアが1ポイント上がるとCPCは構造的に下がります。短期施策ではなく継続的な改善対象として扱うべきです。
③LP改善・LPO(CVR向上の最大レバー)
CVR改善のレバーとして最も大きいのがLPです。実例で見ていきましょう。
弊社が支援する株式会社TYシステムサービス様(シャッター事業)では、LP改善を中心とした施策で広告経由の成約率を50%から70%へ改善しました。具体的な打ち手は以下です。
LP上部に「弊社はメーカーではありません」と明記し、メーカー問い合わせを目的とした間違い電話を削減
ポップアップでの離脱抑止
CTAボタンの文言・配置の最適化
Microsoft Clarityによるヒートマップ分析で離脱箇所を特定
DejamによるLPO仮説検証
ここで重要なのは、LP改善はリスティング広告の管理画面の中だけでは完結しないという点です。LPはマーケティング戦略・事業構造の延長線上にあり、ここに踏み込まない代理店ではCPA改善の上限値が低くなります。

④広告文・訴求の最適化(CTRとCVRの両改善)
レスポンシブ検索広告の見出しを最適化し、訴求軸別にA/Bテストを継続します。検索意図ごとに広告文を出し分け、KWと訴求の一致度を上げると、CTRもCVRも同時に伸びます。
⑤アカウント構造の再設計(自動入札時代に必須)
前章で触れたCPA帯混在の問題を解決するため、以下を実施します。
目標CPA帯ごとにキャンペーンを分割
単価の異なるKWは別の広告グループへ
コンバージョン設計の再点検(マイクロCVとマクロCVの整理)
自動入札時代では、アカウント構造そのものが運用品質を決めます。
⑥計測タグ・GA4設定の見直し(土台の整備)
弊社が支援するAmeripros合同会社様(美容医療クリニック経営支援)では、計測設計と運用改善の組み合わせによりGoogle広告のCPA約30%改善・広告予算約20%削減を実現しています。
具体的には、GTMでのCV計測設計の見直し、GA4イベント設計、Google広告とGA4の連携、CV重複の排除を実施しました。月額広告予算2,000万円弱の規模で、新規のYahoo!広告・Meta広告も並行して目標CPAを達成しています。
計測の土台が崩れた状態で運用改善を進めても、AIが誤った教師データで学習するだけです。CPA改善の前に、まず計測の精度を担保することが鉄則と言えます。
⑦自動入札の戦略選択(コンバージョン数最大化 vs 目標CPA)
自動入札戦略は、月間CV数と運用フェーズに応じて選びます。
フェーズ | 推奨戦略 |
立ち上げ期(月CV30件未満) | クリック数最大化 or コンバージョン数最大化 |
安定期(月CV30〜100件) | コンバージョン数最大化 |
最適化期(月CV100件以上) | 目標コンバージョン単価 or 目標ROAS |
デジマール社の解説が指摘するとおり、入札は自動化に任せても、広告状況をチェックして改善を練るPDCAは必要であり、まったく管理しないでよいわけではありません。学習期間中(おおむね2週間)は触らない、学習リセットになる大きな変更は避ける、という運用ルールも重要です。
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自動入札・P-MAX時代に運用者がやるべき5つの仕事
自動入札とP-MAXの普及で「広告運用はAIに任せれば良い」と思われがちですが、実態は逆です。AIに渡す土台と判断軸を人間が設計しないと、CPAは下がりません。本章では運用者の5つの仕事を整理します。
①コンバージョン設計の精密化
②媒体への正しいデータ供給
③LPと計測の継続改善
④異常検知と人間判断の介入
⑤事業KPIとの接続
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①コンバージョン設計の精密化(AIの学習の土台)
マイクロCV(資料DL等)とマクロCV(購入・問い合わせ)を区別し、コンバージョン値を設定したうえで、AIが学習しやすい状態を作ります。学習に必要なCV数(月30〜50件以上が目安)をいかに確保するかが立ち上げ期の最大論点です。
②媒体への正しいデータ供給(GA4イベント・拡張CV)
拡張コンバージョン、オフラインCVインポート、ファーストパーティデータの活用などにより、AIに渡すシグナルの質を上げます。Cookieless環境への対応も2024年以降の重要テーマです。
③LPと計測の継続改善(管理画面外の本丸)
ここが運用者の差が最も出るパートと言えます。
弊社では、Microsoft Clarityによるヒートマップ分析、DejamによるLPOツールの導入、GAS(Google Adsスクリプト)による業務効率化、WordPressでの実装支援まで、管理画面の外側で手を動かすことを運用者の標準業務と位置づけています。
業界平均では運用者一人あたり7〜9社を担当することが多く、管理画面の外側まで手を動かす余裕がないのが実情です。弊社(ClimbUp Agency)の場合は、運用者あたり最大4社の担当制限を設けることで、管理画面外の改善余地まで掘り下げる体制を担保しています(弊社調べ)。
④異常検知と人間判断の介入
自動入札も完璧ではありません。季節要因による急変、ブランドKW除外設定のミス、媒体側のアルゴリズム変更などで、CPAは突発的に動きます。
たとえばAmeripros様の事例では、海外出張中に発生したブランドキーワード除外設定のトラブルを当日〜翌日で原因特定・改善提案するスピード感が評価されました。AIに任せきりでは検知も対応もできないため、人間の運用者が異常を見つけ、論理的に原因を切り分けるスキルが不可欠です。
⑤事業KPIとの接続(CPAだけ見ない)
CPAは中間指標です。最終KPIは売上・利益・LTVであり、CPAを下げることが事業利益の最大化と必ずしも一致しません。
経営層への報告では「CPAを●%改善した」だけでなく、「CPA改善とCV増加の組み合わせで、月間粗利を●円押し上げた」という説明まで踏み込むのが理想です。
CPAが下がらない時、代理店を見直すべき3つのサイン
7つの施策を打っても改善しない場合、施策の問題ではなく運用体制の問題である可能性があります。本章では、代理店を見直すべき3つのサインを整理します。
サイン①:改善提案の頻度・質が低下している
サイン②:質問への回答が表面的・論理的でない
サイン③:管理画面外の改善余地が放置されている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
サイン①改善提案の頻度・質が低下している
月次レポートが定型コピペになっている、新規施策の提案が月1回未満、PDCAが回っていない、といった状態は黄信号です。
AD HANDSが実施した中小企業のインターネット広告代理店活用に関する本音調査では、広告主が代理店に抱く不満の3位に「新しい提案があまりない」が挙がっています。1位「金額が高い」・2位「広告効果が悪い」・4位「レスポンスが遅い」・5位「レポートの内容が薄い」と並び、提案不足は業界共通の課題と言えます。
サイン②質問への回答が表面的・論理的でない
「なぜCPAが上がったのか」と質問したときに、抽象的な回答しか返ってこない、CPC・CVRの因数分解で説明できない、「Googleのアップデートで」と一般論で逃げる、といった状態が続くようであれば、運用者のスキルや知的誠実さに課題があると判断していいでしょう。
優れた運用者は、わからないことを正直に「現時点では原因不明だが、●日までに●を確認して回答します」と言える人です。これは弊社(ClimbUp Agency)が代表者の前職時代から大切にしている運用姿勢でもあります。
サイン③管理画面外の改善余地が放置されている
LP改善・タグ整備・GA4設定・Microsoft Clarity導入・Dejam活用など、管理画面外の打ち手が一切提案されない場合、CPA改善の上限値は構造的に低くなります。
広告管理画面の中だけで触れる打ち手には限界があり、本質的な改善はその外側に多く眠っています。代理店が「広告管理画面でしか手を動かさない」業界構造そのものが、中小企業のCPA改善を阻んでいるというのが弊社の見立てです。
参考までに、シュワット株式会社様では、大手代理店から弊社ClimbUp Agencyへのリプレイスを経てCPA1/3を実現しています。乗り換えタイミングは契約更新時期や予算編成期に合わせるのが現実的で、移行に伴うリスクを最小化するための引き継ぎフローも整備しています。
「いきなりリプレイスはハードルが高い」という方には、セカンドオピニオンとしての無料アカウント診断が有効です。15ページ以上のPDFレポートで現状の課題と改善施策を提示し、その内容を見たうえで継続検討いただく形が安心です。
まとめ|リスティング広告のCPAを下げるための行動指針
本記事のポイントを振り返ります。
CPA = CPC ÷ CVR の因数分解が改善の起点
業界平均との比較は出発点にすぎず、自社の限界CPAとの比較が本質
CPA高騰の原因は5つに整理可能(CPC上昇/CVR低下/自動入札の学習不全/アカウント構造/計測タグ不備)
改善施策は優先順位順に7つ(除外KW→品質スコア→LP→広告文→構造→計測→自動入札)
自動入札時代こそ人間の仕事が重要(コンバージョン設計/データ供給/LP・計測改善/異常検知/事業KPIとの接続)
改善が止まったら代理店見直しのサイン(提案頻度・論理性・管理画面外への踏み込み)
次のアクションとしては、まず自社のCPAを業界平均と比較したうえで、本記事の「CPA = CPC ÷ CVR の因数分解」で原因を特定し、優先順位順に改善施策を実行するのが王道です。
もし「自社のアカウントを第三者視点で診てほしい」「CPAが下がらない原因を論理的に切り分けてほしい」という段階であれば、ClimbUp Agencyでは完全無料のアカウント診断を提供しています。
資料請求:ClimbUp Agencyのサービス内容・料金・実績・3つのお約束(最低週1施策提案/PDCA記録の資産化/顧客MTG参加)をまとめた資料を無料でお送りします → https://climbup-agency.com/request
完全無料アカウント診断:独自の診断書(15ページ以上のPDF)で改善施策を提示。最短1営業日でレポート提出 → https://climbup-agency.com/raw
事業成長という高い山を、共に登っていきましょう。
濱口侑生
新卒で都内の大手Web広告代理店に入社し、運用コンサルタントとしてリスティング広告やMeta広告に従事。月間数千万円から2.5億円規模の大型予算案件を担当し、美容クリニック、不動産、旅行など幅広い業界で成果改善を実現。
「広告主への圧倒的なコミットメント」を追求するため、ClimbupAgency株式会社を創業。運用者一人の担当社数を最大4社に制限し、管理画面上の数値に閉じないマーケティング戦略立案から、タグ設計、LPOまで一気通貫で支援している。ビジョンは「共に歩み、共に登る。」。
