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リスティング広告を自分でやる方法|Google・Yahoo!の始め方を全手順で解説【2026年版】

公開日: 2026.05.21 更新日: 2026.10.20 濱口 侑生

「リスティング広告を自分でやってみたい。でも、どこから手をつければいいのかわからない」
「代理店手数料は払いたくない。ただ、自己流で広告費をドブに捨てるのも怖い」

中小企業の経営者やWeb担当者の方から、こうしたご相談を多くいただきます。

結論からお伝えすると、リスティング広告は自分で運用できます。Google広告もLINEヤフー広告(旧Yahoo!広告)も最低出稿金額の縛りがなく、個人でも法人でも今日から出稿できる仕組みです。

ただし「出稿できる」ことと「成果が出る」ことは別問題です。
Web広告メディアのLISKULは、8割の企業がリスティング広告で失敗していると指摘しています。
その傾向は中小・ベンチャー企業でとくに強いとされています(出典:LISKUL「リスティング広告成功の法則とは?なぜ8割の企業が失敗するのか?」)。

そこで本記事では、Google広告を自分で始める全手順を8ステップとLINEヤフー広告を5ステップに分け、管理画面の項目名レベルまで書き切ります。
そのうえで、初心者が必ずハマる7つの失敗パターンと、自社運用を続けるか代理店に任せるかの判断軸を解説します。

執筆は、元大手広告代理店の運用コンサルタントとして月額300万円〜2.5億円規模のアカウントを担当してきた経験にもとづいています。
あわせて、中小企業の自社運用アカウントを引き継いできた現場知見も反映しました。

この記事を読み終えれば、以下が明確になります。

仕組みから知りたい方は、リスティング広告とは?初心者向けの基礎知識から具体的な運用方法までを先にご覧ください。
すでに自己流で運用していて成果に不安がある方は、完全無料のアカウント診断で現状を第三者視点から確認いただけます。

結論|リスティング広告は自分でできる。ただし「成果を出す」のは別問題

自分で運用できるかという問いへの答えは「できる」です。媒体側にハードルはありません。
一方で、成果を出すハードルは高く、そこに8割が失敗すると言われる理由があります。

論点結論
自分で出稿できるかできる。Google広告・LINEヤフー広告とも最低出稿金額の縛りはない
自分で成果を出せるか条件つき。専任で月20〜40時間を確保できるかが分岐点
失敗する確率8割の企業が失敗するとされ、中小・ベンチャーでとくに顕著

自分で運用できる。最低出稿金額の縛りはない

Google広告もLINEヤフー広告も、個人・法人を問わず誰でもアカウントを開設できます。

Google広告の公式ヘルプによれば、アカウント作成は3ステップで完了します。
ビジネス情報の追加、キャンペーン目標と予算の選択、お支払い情報の入力の3つです(出典:Google広告ヘルプ「Google 広告アカウントを作成する: ご登録方法」)。

審査を通過すれば、その日のうちに配信を開始できます。
つまり「自分でやれるかどうか」という入口のハードルは、媒体側にはまったくありません。

それでも「8割の企業が失敗する」と言われる理由

失敗の要因は、才能やセンスではありません。初期設計の甘さと、配信開始後に改善サイクルが回らないことの2点に集約されます。

弊社ClimbUp Agencyでも「自分で運用してきたが成果が出ない」というご相談を定期的にいただきます。引き継いだアカウントを開くと、次のような状態になっていることがほとんどです。

いずれも管理画面を開けば気づけるものばかりです。裏を返せば、これから紹介する手順どおりに設定し、週1回チェックする習慣さえ作れば、8割の失敗パターンの大半は回避できます。

Google広告を自分で始める全手順【8ステップ】

ここからは実際の操作手順です。所要時間は、事前準備を除けば2〜3時間程度を見てください。

ステップ1|出稿前に「CV定義・目標CPA・月額予算」を決める

アカウント開設よりも先に、この3つを紙に書き出してください。ここが決まっていないと、配信開始後に何を見て改善すればよいか判断できなくなります。

決めること決め方記入例
コンバージョンの定義売上に最も近い行動を1つ選ぶ問い合わせフォーム送信
目標CPA粗利 × 受注率から逆算する粗利30万円 × 受注率20% ÷ 3 = 2万円
月額予算目標CPA × 月に必要なCV数2万円 × 10件 = 20万円
1日の平均予算月額予算 ÷ 30.420万円 ÷ 30.4 = 約6,580円

Google広告の1日の平均予算は、月単位で調整される仕組みです。月額予算を30.4で割った額を設定すると、月間の消化額が想定内に収まります。

目標CPAの決め方に迷う場合は、リスティング広告のCPAを下げる7つの打ち手で業界相場と逆算フレームを解説しています。

ステップ2|Google広告アカウントを開設する

Google広告の公式サイトにアクセスし、「今すぐ開始」からGoogleアカウントでログインします。

個人のGmailアカウントではなく、会社のドメインで作った共有可能なGoogleアカウントを使ってください。担当者の個人アカウントで開設すると、退職や異動のときにアカウントごと引き継げなくなります。

登録画面では、次の情報を順に入力します。

  1. ビジネス名(広告に表示される会社名・サービス名)
  2. ウェブサイトのURL(広告のリンク先となるサイト)
  3. 広告の目標(「ウェブサイトでの商品購入や申し込みを増やす」等)
  4. 請求先の国・タイムゾーン・通貨

タイムゾーンと通貨は、アカウント作成後に変更できません。日本国内向けの配信であれば、タイムゾーンは「日本標準時」、通貨は「日本円(JPY)」を必ず選択してください。

ステップ3|エキスパートモードに切り替える

初期状態のGoogle広告は「スマートモード」で開きます。ここで必ずエキスパートモードに切り替えてください。

スマートモードは設定項目が絞られた簡易版で、キーワードのマッチタイプ指定や入札戦略の細かい調整ができません。自分で運用して成果を出すつもりなら、最初からエキスパートモードで始めるべきです。

切り替えは、画面右上の「ツールと設定」アイコンから「エキスパートモードに切り替える」を選択します。

注意:一度エキスパートモードに切り替えると、スマートモードには戻せません。これはGoogle広告の仕様です。とはいえ、自分で本格的に運用するならエキスパートモード一択なので、迷わず切り替えて問題ありません。

切り替え直後にキャンペーン作成画面が表示されますが、ここでは作らずに「キャンペーンなしでアカウントを作成」を選んでください。先に支払い情報と計測の準備を整えてから、キャンペーンを作るほうが安全です。

ステップ4|お支払い情報を登録する

「お支払い」メニューから、請求先情報とお支払い方法を登録します。

アカウントの種類は「ビジネス」を選び、登記上の会社名と住所を入力してください。ここで入力した情報が請求書に記載されます。

支払い方法はクレジットカードが一般的です。月額の出稿額が大きくなってきたら、Googleの審査を経て銀行振込(月次請求)に切り替えることもできます。

ステップ5|検索キャンペーンを作成する(初心者が必ず外すべき初期設定4つ)

「キャンペーン」→「+新しいキャンペーン」から作成します。目標は「販売促進」または「見込み顧客の獲得」、キャンペーンタイプは「検索」を選んでください。

ここからが最重要です。Google広告のデフォルト設定は、広告費を使い切る方向に寄っています。以下の4項目は必ず手動で変更してください。

項目初期値初心者が設定すべき値理由
ディスプレイネットワークオンオフ検索広告とは別物。同じ予算内で無関係な面に配信され、成果を読めなくなる
検索パートナーオンオフ(初期のみ)Google以外の提携サイトに配信される。まず純Google検索の成果を確認する
地域「日本」日本全国商圏の都道府県・市区町村商圏外のクリックに費用を払わないため
地域のターゲット設定対象地域に「関心を示した」ユーザー対象地域に「所在地がある」ユーザー初期値だと、旅行検索など商圏外の在住者にも配信される

とくに4つ目は見落とされがちです。地域設定の「詳細オプション」を開かないと表示されないため、大阪の店舗なのに東京在住者に広告が出ているという状態が起こります。

入札戦略は、コンバージョンの実績が溜まるまでは「クリック数の最大化」に上限クリック単価を設定して始めるのが安全です。CV数が月30件を超えたあたりから「コンバージョン数の最大化」や「目標CPA」への切り替えを検討します。

ステップ6|広告グループとキーワードを設定する(「部分一致」は「インテントマッチ」に改称)

まず用語の更新点からお伝えします。かつて「部分一致」と呼ばれていたマッチタイプは、現在のGoogle公式では「インテントマッチ」という名称になっています。

マッチタイプ記号入稿例初心者の使い方
インテントマッチ(旧・部分一致)なしリスティング広告 代行初期は使わない
フレーズ一致二重引用符“リスティング広告 代行”ここから始める
完全一致角括弧[リスティング広告 代行]ここから始める

注意すべきは、記号をつけずにキーワードを入力すると、自動的にインテントマッチになる点です(出典:Google広告ヘルプ「キーワードのマッチタイプについて」)。

インテントマッチは関連性の広い検索にも広告を出すため、予算の限られた初期段階では費用が分散します。最初は完全一致とフレーズ一致だけで、10〜20語程度から始めてください。

そして、配信開始前に除外キーワードを登録します。最低限、次の4カテゴリは初日に入れておくべきです。

マッチタイプの使い分けは完全一致とは?フレーズ一致・部分一致との違いで解説しています。
除外キーワードの設計は除外キーワードのマッチタイプとは?をご覧ください。
キーワードの選び方そのものはリスティング広告のキーワード選定|6ステップの手順にまとめています。

ステップ7|レスポンシブ検索広告を入稿する

現在のGoogle検索広告は、レスポンシブ検索広告(RSA)が標準形式です。見出しと説明文を複数登録し、Googleが組み合わせを自動で最適化します。

要素登録できる数文字数上限最低限入れるべき数
見出し最大15個各30文字10個以上
説明文最大4個各90文字4個すべて
表示URLのパス2個各15文字2個

入稿時のポイントは3つです。

広告文の書き方は広告文の作り方|クリック率を上げる7つのコツと例文で詳しく解説しています。
レスポンシブ広告そのものの仕様はレスポンシブ広告とは?2種類の違い・運用のコツをご覧ください。

ステップ8|コンバージョン計測を設定してから配信を開始する

この工程を飛ばすと、ここまでの作業がすべて無駄になります。成果を測れないアカウントは、改善のしようがないからです。

設定は「目標」→「コンバージョン」→「新しいコンバージョンアクション」から進めます。計測タグの設置方法は主に2通りです。

設置後は、必ず自分で実際にフォームを送信して、コンバージョンが1件計上されるかを確認してください。配信開始から1週間、CVが0件のまま「反応がない」と判断していたが、実はタグが発火していなかった——という相談は本当に多く受けます。

ここまで完了したら、キャンペーンを有効にして配信開始です。

LINEヤフー広告(検索広告)を自分で始める全手順【5ステップ】

LINEヤフー広告はGoogle広告と画面構成が異なり、アカウント開設の入口も別です。Google広告を先に作った方も、ここは読み飛ばさないでください。

ステップ1|Yahoo! JAPANビジネスIDを取得する

LINEヤフー広告を出稿するには、まず「Yahoo! JAPANビジネスID」が必要です。普段お使いのYahoo! JAPAN IDとは別物なので、新規に取得してください。

申し込みの流れは公式ヘルプにまとまっています(出典:LINEヤフー広告ヘルプ「お申し込み方法」)。

ステップ2|検索広告アカウントを開設する

ビジネスIDを取得したら、広告管理ツールから広告アカウントを作成します(参考:LINEヤフー広告ヘルプ「広告アカウントを作成する」)。

LINEヤフー広告は「検索広告」と「ディスプレイ広告」でアカウントが分かれています。リスティング広告を出したい場合は「検索広告」を選択してください。

なお、LINEヤフー広告の審査はGoogle広告よりも慎重な傾向があります。とくに医療・美容・金融・人材などの規制業種では、事前に必要書類を求められる場合があるため、余裕を持ったスケジュールで進めてください。

ステップ3|キャンペーンを作成する

キャンペーン作成時の設定項目は、Google広告とほぼ同じ考え方で問題ありません。

LINEヤフー広告の掲載順位も、入札価格だけでは決まりません。決定の仕組みは公式ヘルプで公開されています(出典:LINEヤフー広告ヘルプ「掲載順位の決定方法」)。

ステップ4|広告グループ・キーワード・広告を入稿する

LINEヤフー広告のマッチタイプは「完全一致」「フレーズ一致」「インテントマッチ」の3種類です。2024年8月1日に、Google広告と同じく「部分一致」から「インテントマッチ」へ名称が変わりました(LINEヤフー for Business)。

Google広告と同様、初期は完全一致とフレーズ一致から始めてください。除外キーワードも配信前に登録します。

広告フォーマットはレスポンシブ検索広告が主流です。Google広告用に作った見出し・説明文をそのまま流用できますが、文字数上限が媒体で異なるため、入稿時にエラーが出たら短縮してください。

ステップ5|コンバージョン測定タグを設置する

LINEヤフー広告にもGoogle広告とは別のコンバージョン測定タグがあります。Google広告のタグを入れただけでは、LINEヤフー広告の成果は計測されません。

両媒体を並行して運用する場合は、GTMで2つのタグを管理する構成にしておくと、以後の運用が楽になります。

自分でやるなら、GoogleとYahoo!のどちらから始めるべきか

結論として、初めて自分で運用するなら、まずGoogle広告だけに絞ってください。

理由は3つあります。

Google広告でCPAが目標内に収まってから、LINEヤフー広告を追加するのが現実的な順序です。
ただし50代以上がターゲットの商材や、PC検索中心の法人層であれば、LINEヤフー広告の費用対効果が上回ることもあります。

自分でやる場合、いくらから始められるのか

「最低いくら必要か」と「いくらあれば学習が回るか」は別の話です。ここを混同すると、少額で始めて成果が出ないまま撤退することになります。

最低出稿金額の縛りはない。ただし少額では判断材料が揃わない

Google広告・LINEヤフー広告とも最低出稿金額の定めはなく、1日数百円の設定でも配信は始まります。

問題は、その予算で意思決定に足るデータが集まるかです。仮にクリック単価200円、CVR 2%の商材で月3万円を使った場合、クリックは150回、CVは3件の計算になります。月3件では、広告文の良し悪しもキーワードの当たり外れも判断できません。

学習が回り始める目安は月10万円前後

弊社が自社運用アカウントを引き継いできた経験では、改善サイクルが機能し始めるのは月10万円前後からです。月10万円あれば、上記の条件でクリック500回・CV10件程度が見込め、除外キーワードの追加や広告文の入れ替えに意味が出てきます。

予算の考え方はリスティング広告の費用相場は月20〜50万円|内訳と予算の決め方で詳しく解説しています。

業界別のクリック単価とCVRの実データ(2026年版)

予算を決める前に、自社の業界水準を把握しておくと精度が上がります。米LocaliQが公開している2026年版の検索広告ベンチマークが、現時点で最も新しい業界別データです。

業界平均CPC平均CVR
全業界平均$5.428.18%
法律・弁護士$9.875.55%
住宅・リフォーム$8.338.05%
ビジネスサービス(BtoB相当)$5.874.85%
人材・求人$5.813.05%
金融・保険$3.392.64%
不動産$3.223.70%

出典:LocaliQ「Search Advertising Benchmarks」(2026年6月更新)

この表で注目すべきは、「金融・不動産はクリック単価が高い」という通説が、少なくともこのデータでは成立していない点です。金融・保険と不動産はいずれも全業界平均を下回っています。一方で、CVRは全業界平均8.18%に対して2〜3%台と低く、クリックは安いがなかなか成約しない構造だとわかります。

クリック単価が本当に高いのは法律・弁護士($9.87)と住宅・リフォーム($8.33)です。この2業界で自社運用に挑む場合は、1クリックの重みが平均の1.5倍以上あると認識しておく必要があります。

なお、これは米国市場のデータです。日本の相場をそのまま示すものではないため、あくまで業界間の相対的な差を読む材料としてご覧ください。日本国内のクリック単価についてはリスティング広告のクリック単価相場は?業種別の目安と単価を下げる実践法で解説しています。

自分でやる人が必ずハマる7つの失敗パターン

弊社が引き継いだ自社運用アカウントで、実際に頻出する順に並べています。手順どおり設定していても、配信開始後にこれらへ陥るケースが大半です。

失敗1|配信地域が「日本全国」のまま放置されている

最も多く、最も損失が大きい設定ミスです。

来店型のビジネスであれば、商圏外のクリックは1円残らず無駄になります。さらに厄介なのが、ステップ5で触れた「対象地域に関心を示したユーザー」という初期設定です。地域を正しく絞ったつもりでも、この項目を変えていなければ商圏外の在住者に配信され続けます。

失敗2|インテントマッチのまま無関係な検索に費用を溶かす

記号をつけずに入稿すると自動的にインテントマッチになるため、意図せずこの状態になっている方がほとんどです。

たとえば「弁護士 相談」で入稿すると、「弁護士 ドラマ」「弁護士 年収」「弁護士 求人」といった検索にも広告が出ます。いずれも依頼にはつながりません。

失敗3|検索語句レポートを一度も開いていない

検索語句レポートは、実際にどんな検索で広告が表示されたかを確認できる機能です。
公式ヘルプでも、このレポートから除外キーワードの候補を選べると案内されています(出典:Google広告ヘルプ「検索語句レポートを使って除外キーワードの候補を取得する」)。

配信開始から1週間は毎日、その後は週1回、このレポートを開いて除外を追加してください。これを習慣化するだけで、無駄クリックは大きく減ります。

逆に成約につながった長い検索語句は、SEOの記事テーマとしても使えます。活かし方はロングテールキーワードの探し方と選び方をご覧ください。

失敗4|1日の予算が深夜に溶けて、商談時間帯に広告が出ていない

1日の予算は午前0時にリセットされます。深夜帯に検索するユーザーへ配信が進むと、見込み客が動く昼や夕方には予算切れで広告が表示されません。

管理画面の「広告のスケジュール」で配信時間帯を絞るか、時間帯別の入札調整をかけて対処します。BtoBなら平日9〜19時に絞るだけでも、CPAが改善するケースは多いです。

失敗5|コンバージョンタグが発火しておらず成果を測れていない

ステップ8で触れたとおり、これが起きると打ち手のすべてが検証不能になります。

よくある原因は、サンクスページのURL変更、フォームツールの仕様変更、GTMの公開忘れの3つです。サイトを改修したら、必ずテスト送信でコンバージョン計測を確認する運用ルールにしてください。

失敗6|1つのキャンペーンに性質の違うキーワードを詰め込む

「とりあえず思いつくキーワードを全部入れた」という構成では、どのキーワードに予算が使われているかを制御できません。

キャンペーンは予算と地域を管理する単位、広告グループはキーワードと広告文をひもづける単位です。1広告グループあたりキーワードは5〜10語程度に絞り、その語に合わせた広告文を書くのが基本です。設計の考え方はリスティング広告のアカウント構成|成果を分ける設計の考え方で解説しています。

失敗7|片手間運用で1ヶ月後に管理画面を開かなくなる(最頻出)

設定ミスよりも深刻で、最も多いのがこのパターンです。

他業務と兼任で始めると、初期設定までは気力が持ちます。しかし配信開始から1〜2ヶ月後には管理画面を開かなくなり、設定したままの状態で予算だけが消化されていきます。

LISKULが指摘する「8割が失敗する」背景にあるのも、この片手間運用から放置、撤退という流れです。「とりあえず始めて様子を見る」という判断が、実は最もリスクの高い判断になります。

すでに運用中で「この7つのどれかに当てはまっているかもしれない」と感じた方は、無料のアカウント診断をご利用ください。15ページ以上のPDFレポートで、どこに問題があるかを最短1営業日でお返しします。

自分で運用するメリットとデメリットを正直に整理する

手順と失敗パターンを踏まえたうえで、改めて損得を整理します。

メリット|手数料が浮く・ノウハウが残る・意思決定が速い

代理店に委託すると、運用額の約20%が手数料として発生するのが業界の一般的な相場です。自社運用ならこの分をすべて広告配信に回せます。

月額広告費手数料(20%)年間の手数料総額
30万円6万円72万円
100万円20万円240万円
500万円100万円1,200万円

加えて、運用ノウハウ・改善履歴・顧客の反応データが社内に残ります。これらはLP改善やSEO、商品企画にも転用できる資産です。

意思決定の速さも強みです。代理店経由なら「依頼→対応待ち→確認→実装」が発生する施策変更を、自社ならその場で完結できます。

デメリット|月20〜40時間の工数と、学習コストを「広告費」で払う構造

弊社の経験では、本気で改善サイクルを回す場合、専任担当者で月20〜40時間程度が必要です。内訳の目安は次のとおりです。

さらに見落とされがちなのが、学習コストを時間ではなく「お金」で支払う構造です。リスティング広告は配信しながら学ぶ性質の広告のため、試行錯誤の分だけ広告費が消えます。

月10万円規模なら授業料の範囲に収まります。しかし月100万円規模で同じ試行錯誤をすると、半年で数十万円から数百万円が学習コストとして消えていきます。

見落とされがちなデメリット|管理画面の外側の作業量

自社運用を検討する方の多くが、管理画面の操作だけを想定して始めます。しかし実際に成果を出そうとすると、管理画面の外側の作業のほうが量も難易度も上になります。

管理画面外の業務内容必要なスキル
GA4のイベント設計コンバージョン計測の正確性を担保するGA4の管理・設計
GTMでのタグ実装タグの設置・検証・デバッグタグマネージャーの操作
LP改善コンバージョン率を上げる継続的な改修ライティング・デザイン・実装
広告クリエイティブ制作広告文・画像アセットの企画と制作コピーライティング・画像編集
ヒートマップ分析Microsoft Clarity等での行動分析ツール運用・分析
自動化スクリプトGoogle広告スクリプトによる効率化JavaScriptの基礎

弊社ClimbUp Agencyでは、これら管理画面外の業務まで運用者自身が手を動かす体制を取っています。ここを切り離した瞬間に運用品質が落ちる構造を、現場で何度も見てきたためです。

LP側の改善余地についてはリスティング広告のLPとは?成果を最大化する作り方と改善方法もあわせてご覧ください。

自社運用か代理店か|4つの軸で判断する

感情論ではなく、次の4つの軸で判断してください。

判断軸自社運用が向くケース代理店活用が向くケース
①月額広告費月10万〜30万円月50万円以上
②社内リソース専任で週20時間以上確保できる兼任のみ/週10時間未満
③業界のクリック単価単価が低いニッチ領域法律・住宅など高単価領域
④管理画面外スキルGA4・タグ・LP改善まで社内で可能管理画面以外は手が出ない

軸1|月額広告費の規模(手数料と人件費の損益分岐点)

代理店手数料は運用額の約20%が相場です。これを自社の人件費と比べると、分岐点が見えてきます。

月額広告費代理店手数料自社の人件費目安(専任20時間)判断
月10万円月2万円月10万円〜自社運用に合理性あり
月50万円月10万円月10万円〜ほぼ同水準。スキル次第
月100万円月20万円月10〜15万円代理店活用が割安になる転換点
月300万円超月60万円〜月20万円超(複数名体制)代理店活用が合理的

月10万円台であれば、手数料の絶対額が小さいため自社運用の合理性があります。一方で月50万円を超えてくると、専任人件費との比較で代理店活用が優位になる場面が増えます。

軸2|専任リソースを週20時間確保できるか

判断の目安は次のとおりです。

弊社の経験では、片手間で何とかしようとした自社運用は、ほぼ例外なく失敗します。リソースを確保できないのであれば、代理店に任せたほうが結果的に安く付くケースが圧倒的に多いです。

軸3|業界のクリック単価水準

先ほどのベンチマークで見たとおり、業界によって1クリックの重みが2〜3倍異なります。

法律・住宅リフォームのような高単価領域では、設定ミス1つの損失額が大きくなります。逆に、競合の少ないニッチなBtoB領域や地域密着サービスであれば、丁寧に運用すれば自社でも十分に戦えます。

軸4|管理画面外のスキルが社内にあるか

次の5項目のうち、社内で対応できるものがいくつあるかを数えてください。

3つ以上に対応できるなら自社運用の土台があります。1つ以下であれば、管理画面だけ操作しても改善幅は限定的です。

4軸の総合判定マトリクス

状況推奨アクション
月10万〜30万円/専任あり/低単価領域/管理画面外スキルあり自社運用を継続
月30万〜50万円/兼任/中程度/管理画面外スキル一部あり自社運用+専門家の伴走
月50万円以上/専任の確保が困難/高単価領域/スキル不足代理店の活用を検討
すでに代理店を利用中/成果が頭打ち/提案が少ない代理店のリプレイスを検討

代理店に任せる場合の選び方はリスティング広告を外注するメリット・デメリットと失敗しない代理店の選び方で解説しています。
具体的な比較検討には中小企業向けWeb広告代理店おすすめランキングをご覧ください。

自社運用に限界を感じたときの選択肢

自社運用か代理店かという二択のほかに、移行という第三の選択肢があります。

「自社運用→代理店」へ移行するときに引き継ぐべきもの

自社運用で蓄積したデータは、代理店に移行する際の大きな資産になります。具体的には次の3つを整理して渡してください。

良い代理店は、これらの自社知見を尊重したうえで、社内では見えていなかった改善余地を上乗せします。移行時に「全部作り直します」とだけ言う代理店には注意してください。

なお、アカウントの所有権は必ず自社で保持してください。代理店名義のアカウントで運用されると、解約時にデータごと失うことになります。

「既存代理店→別代理店」リプレイスを考えるときの判断材料

すでに代理店を使っている方が、リプレイスを検討するケースも少なくありません。

株式会社GIが運営する「AD HANDS」の調査を見ると、その多さがわかります。
インターネット広告を出稿している中小企業の経営者・役員110名のうち、約8割が依頼中の代理店に不満を感じた経験があると回答しました(「何度もある」26.4%、「ややある」49.1%)。

出典:株式会社GI「中小企業のインターネット広告代理店活用に関する本音調査」(2023年1月実施・調査対象110名)

不満の内容として挙がるのは、次のような項目です。

これらは担当者個人の資質というより、代理店のビジネスモデルに起因している場合があります。運用者1人あたりの担当社数が多ければ、1社に割けるコミット量は物理的に限られるためです。リプレイスを検討する際は、担当者を変えてもらうより先に、この構造を確認してください。

乗り換えの判断基準はリスティング広告の乗り換えで失敗しない判断軸で詳しく解説しています。

ClimbUp Agencyについて(月額広告費100万円が目安です)

最初に、お役に立てる範囲を正直にお伝えします。

弊社WEB広告運用代行は、月額広告費100万円以上を目安にお受けしています。運用手数料は20%で、クリエイティブ制作・GA4分析・LPO・タグ設定・戦略立案まで含み、原則として追加料金はいただきません。

そのため、月額10万〜50万円の予算で始めたい方には、弊社よりも本記事の手順に沿った自社運用か、小規模予算に対応する他社をおすすめします。ここを曖昧にしても、お互いにとって良い結果になりません。

そのうえで、弊社の特徴は次の3点です。

特徴内容
担当社数を最大4社に制限1社あたりのコミット量を構造で担保。運用者と営業を分業せず、全員が広告主と直接やり取りする
管理画面外までカバーGA4・GTM・LPO・クリエイティブ制作・WordPress実装まで運用者が対応
大手代理店出身者が運用月額300万〜2.5億円規模のアカウント運用経験を中小企業案件に持ち込む

支援実績の一例をご紹介します。
シャッター・住宅建材の取付・修理を手がける株式会社TYシステムサービス様では、エリア設定の最適化とLP改善によって広告経由の成約率を50%から70%まで引き上げました。
ほかの事例は支援実績でご覧いただけます。

予算規模にかかわらず、アカウント診断は完全無料でご利用いただけます。15ページ以上のPDFレポートを最短1営業日でお返しし、そのまま自社運用を続ける場合の改善案もお出しします。診断だけのご利用でまったく問題ありません。

リスティング広告を自分でやるときのよくある質問

リスティング広告は最低いくらから始められますか?

Google広告・LINEヤフー広告とも最低出稿金額の縛りはなく、1日数百円からでも配信できます。

ただし改善の判断材料が揃うのは月10万円前後からです。月3万円程度では、クリック150回・CV3件程度にとどまり、良し悪しを判断できません。

リスティング広告の始め方で、最初にやるべきことは何ですか?

アカウント開設ではなく、コンバージョンの定義・目標CPA・月額予算を決めることです。

この3つが決まっていないと、配信開始後に何を見て改善すればよいかがわかりません。所要時間は30分程度なので、必ず先に済ませてください。

リスティング広告で使ってはいけないNGキーワードはありますか?

媒体の広告ポリシーで制限される表現と、成果につながらないため避けるべきキーワードの2種類があります。

前者は、医療・美容・金融など規制業種における誇大表現や、他社の商標の無断使用が代表例です。後者は求人系・無料系・情報収集系のキーワードで、これらは除外キーワードとして初日に登録することをおすすめします。

自分で運用して成果が出るまで、どれくらいかかりますか?

機械学習が安定するまでに2〜4週間、CPAが目標圏内で安定するまでに3〜6ヶ月が一般的な目安です。

配信開始から2週間で「効果がない」と判断して停止すると、学習がリセットされて振り出しに戻ります。詳しくはリスティング広告の効果が出るまでは何ヶ月?で解説しています。

Google広告とLINEヤフー広告、両方やるべきですか?

初めて自分で運用するなら、まずGoogle広告だけに絞ってください。

限られた予算を2媒体に分けると、どちらも学習データが溜まらないまま終わります。Google広告でCPAが目標内に収まってから、LINEヤフー広告を追加するのが現実的です。

途中から代理店に切り替えることはできますか?

できます。その際、アカウントは自社名義のまま代理店に運用権限を付与する形が安全です。

自社運用で蓄積したキーワード履歴や顧客データは、そのまま引き継げる資産になります。代理店名義の新規アカウントで作り直すと、これまでの学習データを失うことになるため注意してください。

まとめ|手順どおりに設定すれば、8割の失敗は避けられる

本記事の要点を整理します。

8割が失敗すると言われるリスティング広告ですが、失敗の中身は才能の差ではありません。設定の抜けと、続かないことの2つです。裏を返せば、本記事の手順どおりに設定し、週1回の確認を習慣にできれば、その大半は避けられます。

そのうえで、リソースが確保できないと判断したなら、早めに外部の力を借りるほうが結果的に安く付きます。判断を先送りするあいだも、広告費は毎日消化されていくためです。

自己流で運用してきた現状に不安がある方は、まず完全無料のアカウント診断で第三者の評価を受けてみてください。15ページ以上のPDFレポートを最短1営業日でお返しします。自社運用を続ける前提の改善提案もお出しできますので、診断だけのご利用でも歓迎です。

サービスの全体像・料金・実績をまとめた資料のご請求や、個別のご相談はお問い合わせから承っています。

事業成長という高い山を、我々ClimbUp Agencyと共に登っていきましょう。

濱口 侑生

新卒で都内の大手Web広告代理店に入社し、運用コンサルタントとしてリスティング広告やMeta広告に従事。月間数千万円から2.5億円規模の大型予算案件を担当し、美容クリニック、不動産、旅行など幅広い業界で成果改善を実現。 「広告主への圧倒的なコミットメント」を追求するため、ClimbupAgency株式会社を創業。運用者一人の担当社数を最大4社に制限し、管理画面上の数値に閉じないマーケティング戦略立案から、タグ設計、LPOまで一気通貫で支援している。ビジョンは「共に歩み、共に登る。」。