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リスティング広告のアカウント構成|分ける基準4つとテンプレート・NG例7選【2026年版】

公開日: 2026.05.21 更新日: 2026.10.20 濱口 侑生

「リスティング広告を運用しているけれど、アカウント構成がこれで合っているのかわからない」
「代理店に任せているが、構成の良し悪しを自分では判断できない」

こうした不安を感じている方は少なくありません。

結論から言うと、2026年のアカウント構成の正解は「分ける理由がない限りまとめる」です。キャンペーンを分けてよいのは、予算・入札戦略・配信条件・成果水準のどれかが違うときだけ。それ以外の細分化は、自動入札の学習データを薄めるだけです。

本記事では、以下の内容を解説します。

ClimbUp Agencyの代表は、大手Web広告代理店で月額数千万円〜2.5億円規模のアカウントを運用してきました。現在は中小企業のリプレイス案件を中心に、構成の見直しから成果改善まで一貫して支援しています。

自社のアカウント構成に不安がある方は、ClimbUp Agencyの完全無料アカウント診断もご活用ください。独自の診断書(15ページ以上のPDF)で、改善施策を最短1営業日でお届けします。

リスティング広告のアカウント構成とは?4つの階層と役割

リスティング広告のアカウント構成とは、広告配信を管理するための階層設計のことです。Google広告・LINEヤフー広告(旧Yahoo!広告)ともに、基本は以下の4階層で成り立っています。

階層役割主な設定項目
アカウント最上位の管理単位ログインユーザー、支払い方法
キャンペーン予算と配信条件の単位日予算、入札戦略、配信地域、ネットワーク
広告グループテーマごとのまとまりキーワード、広告、入札単価
キーワード・広告ユーザーに直接届く部分マッチタイプ、広告文、最終ページURL

パソコンのフォルダ構造をイメージするとわかりやすいでしょう。1台のPC(アカウント)の中にフォルダ(キャンペーン)があり、その中にサブフォルダ(広告グループ)が入っている構造です。

キャンペーン設定(予算、ターゲット地域設定など)を使い分ける必要がある場合は、キャンペーンを分けます。

Google 広告ヘルプ「広告グループでアカウントを整理する」

Google自身が、キャンペーンは「設定を使い分けるための単位」だと説明しています。この前提を押さえたうえで、各階層の役割を見ていきましょう。

キャンペーンは「予算と配信条件の箱」

アカウントは1企業につき1つが基本です。設定できるのはログインユーザーや支払い方法など、管理上の項目に限られます。

運用で重要なのはキャンペーンです。キャンペーン単位で決められるのは、主に以下の項目です。

つまり「予算を分けたい」「配信条件を変えたい」場面でだけ、キャンペーンを分ける。これが設計の基本原則です。

広告グループは「同じ広告文で訴求できるキーワードの集まり」

広告グループは、キーワードと広告をセットにする単位です。同じ広告グループ内のキーワードには、同じ広告が表示されます。

そのため、検索意図が違うキーワードを混ぜると、広告文とのズレが生まれます。結果として、クリック率と広告ランクの低下を招きかねません。

設計原則は「同じ広告文とリンク先で自然に訴求できるキーワード同士をまとめる」ことです。Googleも、サイト内のページやカテゴリに合わせて広告グループを作ることを勧めています。

なお、広告の関連性は品質スコアの3要素の1つです。ただし品質スコア自体はオークションに使われない「診断ツール」です。詳しくは品質スコアの仕組みと改善の優先順位で解説しています。

アカウント構成が成果を左右する3つの理由

アカウント構成は、成果の根幹を決める要素です。理由は3つあります。

  1. 予算配分の効率が変わる。構成が適切なら、成果の出るキーワード群に予算を集中できる
  2. 自動入札の精度が変わる。細かく分けすぎると各キャンペーンのCVが不足し、学習が進まない
  3. 改善のスピードが変わる。シンプルな構成なら、成果が悪化したときに原因をすぐ特定できる

特に2つめが重要です。今のGoogle広告は、自動入札とAIによる拡張が前提の媒体になっています。構成の良し悪しは、そのままAIに渡せるデータの質と量の差になります。

アカウント構成の原則は「シンプル化」|キャンペーンを分けるべき4つの基準

成果が出るアカウント構成の原則は「不要な細分化をしない」ことです。ただし「何でも1つにまとめればいい」わけではありません。分けるべき場面は、以下の4つに限られます。

分ける基準具体例
①予算を個別に管理したい指名KWと一般KWで予算比率を固定したい
②入札戦略を変えたい問い合わせは目標CPA、ECは目標ROASで最適化したい
③配信条件が違う店舗ごとに配信地域が違う、営業時間だけ配信したい
④成果水準が大きく違う許容CPAが5,000円の商材と50,000円の商材がある

この4つに当てはまらないのに分けているなら、統合を検討しましょう。逆に当てはまるのに1つにまとめているなら、分割が必要です。

Hagakure・六連とは?Google・Yahoo!がそろってシンプル化を推奨

アカウント構成を調べると必ず目にするのが「Hagakure(葉隠れ)」です。Googleが推奨してきた、キャンペーンと広告グループを極力シンプルにする設計の考え方を指します。

Googleはその後も、データを集めたHagakure構造を土台にした発展形を打ち出してきました。

名称考え方
Hagakure構成をシンプルにし、学習データを集約する土台
GORINHagakureの上で、自動化の設定と見るべき指標をまとめたもの
3Aオーディエンス・自動化・アトリビューションの3つで機械学習を活かす
MUGEN機械学習による最適化に、配信対象の拡大を組み合わせる

LINEヤフー広告にも「六連」という推奨運用手法があります。最初のステップ「基盤構築」で、不要なキャンペーンや広告グループの分割をしないよう求めています。2024年には発展版の「六連プラス」も公開されました。

推奨運用「六連」のアドバンスト版が登場!「六連プラス」とは?

LINEヤフー for Business

名称は違っても、両媒体の方向性は同じです。「データを集約できるシンプルな構造」を先に作ることが、すべての自動化の前提になっています。

「30件CVがないと自動入札は使えない」は誤解

アカウント構成の記事でよく見るのが「キャンペーンあたり月30件のCVが必要」という説明です。しかしGoogleの原文は、少し意味が違います。

評価の際は、過去 30 日間のパフォーマンスを測定し、少なくとも 30 件のコンバージョンを含めることをおすすめします。

Google 広告ヘルプ「目標コンバージョン単価(tCPA)について」

30件は「入札戦略の成果を評価するときのサンプル数の目安」です。使うための条件ではありません。

とはいえ、CVが少ないほど学習が不安定になるのは事実です。だからこそ、キャンペーンを分けすぎず、1つの入札戦略にCVを集める構成が効いてきます。

【テンプレート】そのまま使えるアカウント構成の例

ここまでの原則を、具体的な構成に落とし込みます。代表的な2つの型を紹介するので、自社に近い方をベースにしてください。

型①BtoB・リード獲得型は「指名」と「一般」の2キャンペーンから始める

サービスが1つで配信地域も全国なら、キャンペーンは2つで十分です。例として、勤怠管理システムを販売する企業の構成を示します。

キャンペーン広告グループキーワード例
指名社名・サービス名サービス名、サービス名 料金
一般サービス直接勤怠管理システム、勤怠管理 クラウド
一般比較・検討勤怠管理システム 比較、勤怠管理 おすすめ
一般課題打刻 ミス 対策、残業 管理 方法

指名を分けるのは、基準①の「予算を個別に管理したい」に当たるからです。一般キャンペーンの中は、検討度の違いで広告グループを分けます。検討度が違うと、響く広告文とリンク先が変わるためです。

キーワードの洗い出し方はリスティング広告のキーワード選定6ステップで詳しく解説しています。

型②EC・複数カテゴリ型は「成果水準」でキャンペーンを分ける

商品カテゴリが複数あるECでは、カテゴリの数だけキャンペーンを作りがちです。しかし分けるべきかどうかは、カテゴリ名ではなく目標ROASの違いで判断します。

キャンペーン分ける理由広告グループ
指名基準①予算を個別管理ショップ名
高粗利カテゴリ基準④目標ROASが低くても利益が出るカテゴリA、カテゴリB
低粗利カテゴリ基準④高い目標ROASが必要カテゴリC、カテゴリD

粗利率が同じカテゴリ同士は、1つのキャンペーンにまとめます。その中で、カテゴリ別の広告グループとリンク先を用意すれば十分です。

ゼロから作る場合の設計手順は5ステップ

テンプレートを自社用に組み立てるときは、以下の順番で進めます。

ステップやること
Step 1CVの定義と許容CPA(または目標ROAS)を決める
Step 2キーワードを洗い出し、検索意図でグルーピングする
Step 3同じ広告文とリンク先で訴求できる単位で広告グループを作る
Step 44つの基準に当てはまる場合だけ、キャンペーンを分ける
Step 5広告グループごとにレスポンシブ検索広告とリンク先を設定する

ポイントは、Step 1でゴールを先に決めることです。許容CPAが決まっていれば、Step 4で「分けるべきか」を迷わずに判断できます。

広告文の作り方はレスポンシブ広告の運用のコツ、リンク先の改善はリスティング広告のLPの作り方もあわせてご覧ください。

NGなアカウント構成7選|よくある失敗と正しい直し方

ClimbUp Agencyがリプレイス案件で引き継ぐアカウントには、共通する失敗があります。代表的な7つを「NG例→正しい例」で整理しました。

NG構成何が起きるか正しい直し方
①1キーワード1広告グループデータが分散し学習が進まない検索意図が近いKWをテーマ単位でまとめる
②マッチタイプ別に分ける同じ検索でデータが割れる1つの広告グループに同居させる
③デバイス別に分ける同じKWの学習が3分割される1キャンペーンにまとめ、自動入札に任せる
④指名と一般の混在予算が指名に吸われる指名キャンペーンを分離する
⑤同じKWを重複登録どの広告グループで出るか管理できない1つの広告グループに集約する
⑥予算不足のキャンペーン乱立どれも日予算で配信が止まる統合して1つに予算を寄せる
⑦1年以上見直していない商材や媒体仕様とズレる四半期に1回は構成を点検する

特に影響が大きいものを、順に詳しく解説します。

NG①②1キーワード1広告グループ・マッチタイプ別の分割は今すぐ統合する

かつて主流だった「1キーワード1広告グループ(SKAG)」が、そのまま残っているケースです。キーワードが100個あれば、広告グループも100個になります。

同じ理由で、マッチタイプごとに広告グループを分けるのもNGです。同じ検索語句のデータが複数の広告グループに割れてしまいます。

よく似たキーワードが重複している場合について、Googleは次のように説明しています。「広告ランクの高い方のキーワードが使用されます」(Google 広告ヘルプ「キーワードのマッチタイプについて」)。

分けても、どちらで配信されるかはGoogleが決めます。分けるメリットはほとんど残っていません。マッチタイプの使い分けは完全一致とフレーズ一致・インテントマッチの違いで解説しています。

NG④指名と一般を混ぜると、新規顧客への予算が消える

指名キーワードはクリック単価が安く、CVRも高いのが特徴です。一般キーワードと同じキャンペーンにすると、自動入札は効率のよい指名に配信を寄せます。

その結果、管理画面上のCPAはよく見えます。しかし実際には、もともと自社を知っている人のCVが増えただけ。新規顧客の獲得は止まっています。最低でも「指名」と「一般」のキャンペーンは分けてください。

NG⑥予算の少ないキャンペーンを並べても、どれも育たない

ClimbUp Agencyが引き継いだアカウントの中には、月50万円の予算にキャンペーンが20個以上あったケースがあります。各キャンペーンの月間CVは0〜1件。自動入札がまったく学習できない状態でした。

この状態は、インプレッションシェア損失率(予算)を見ると一目でわかります。複数のキャンペーンで予算による損失が出ているなら、統合のサインです。確認方法はインプレッションシェアの目安と改善方法をご覧ください。

NG⑦構成は「作って終わり」ではなく四半期ごとに点検する

商品ラインナップの変更や、競合の入札強化は日常的に起こります。Google広告の仕様も毎年のように変わります。一度作った構成を1年以上放置するのは危険です。

ClimbUp Agencyでは、構成変更を含むすべての施策を「変更履歴PDCAシート」に記録しています。シートはクライアントと共有するため、広告主の社内にもナレッジが残る仕組みです。

2026年のアカウント構成|AI Max・P-MAXとの棲み分けが新しい論点

2026年のアカウント構成で、従来の記事が触れていない論点が2つあります。

どちらも「AIが最適化しやすい構造を、人間がどう設計するか」という問題です。

AI Maxは新規の検索キャンペーンで最初からオンになっている

AI Max(検索キャンペーン向けAI最大化設定)は、新しいキャンペーンの種類ではありません。既存の検索キャンペーンに重ねる機能です。主な機能は以下の3つです。

新しい検索キャンペーンでは、AI 最大化設定の機能がデフォルトで有効になっています。

Google 広告ヘルプ「検索キャンペーン向け AI 最大化設定を設定する」

ここが構成上の落とし穴です。最終ページURLの拡張がオンだと、広告グループで意図したリンク先以外にも誘導されます。「広告グループ=リンク先」という前提で作った構成が、知らないうちに崩れるのです。

新しく検索キャンペーンを作ったら、AI Maxの設定を必ず確認してください。使う場合は、URLの除外やブランドの除外で配信範囲を制御できます。

P-MAXと併用するなら、守りたいキーワードは完全一致で持つ

P-MAXと検索キャンペーンを併用すると、同じ検索にどちらが配信されるかが問題になります。Googleの答えは明確です。

検索語句が完全一致キーワードと一致する場合は、完全一致キーワードを含む検索キャンペーンによる配信が P-MAX よりも優先されます。検索テーマは、フレーズ一致キーワードやインテント マッチ キーワードと同じ優先順位になります。

Google 広告ヘルプ「P-MAX キャンペーンについて」

つまり、フレーズ一致やインテントマッチのキーワードは、P-MAXに配信を取られかねません。指名キーワードや主力のキーワードなど、検索キャンペーンで確実に拾いたい語句は完全一致でも登録しておきましょう。

逆にP-MAX側で拾わせたくない語句は、P-MAXの除外キーワードで外せます。キャンペーン単位の除外や除外キーワードリストに対応しています(Google 広告ヘルプ「P-MAX キャンペーンの除外キーワード」)。除外の考え方は除外キーワードのマッチタイプで解説しています。

代理店のアカウント構成を評価する5つのチェックポイント

代理店に運用を任せている場合、構成の妥当性を広告主自身が判断できることが重要です。管理画面を見なくても、以下の5つを質問するだけで良し悪しが見えてきます。

#チェック項目代理店への質問
①キャンペーン数は適切か「各キャンペーンを分けている理由は何ですか?」
②広告グループの分け方に意図があるか「広告グループはどの基準で分けていますか?」
③データが分散しすぎていないか「キャンペーンごとの月間CV数を教えてください」
④AI Max・P-MAXを管理できているか「最終ページURLの拡張と、P-MAXとの重複はどう管理していますか?」
⑤定期的に見直しているか「直近の構成変更はいつ、何を変えましたか?」

判断の目安も押さえておきましょう。

1つでも当てはまるなら、構成の見直しを依頼しましょう。アカウント構成は「戦略そのもの」です。意図を説明できない構成は、戦略がないのと同じだからです。

代理店の対応そのものに不安がある場合は、代理店を乗り換えるべき判断サインも参考にしてください。

「代理店に質問する前に、まず客観的な評価が欲しい」という方は、ClimbUp Agencyの完全無料アカウント診断をご活用ください。上記5項目を含め、15ページ以上のPDFで構成の課題と改善策をご提案します。

アカウント構成に関するよくある質問

リスティング広告のアカウント構造は?

「アカウント→キャンペーン→広告グループ→キーワード・広告」の4階層です。Google広告・LINEヤフー広告とも同じです。キャンペーンで予算と配信条件を、広告グループでキーワードと広告の組み合わせを管理します。

ディスプレイ広告のアカウント構成は?

階層は検索広告と同じですが、キャンペーンは検索広告と分けるのが基本です。成果水準や入札の考え方が大きく違うためです。広告グループは、キーワードではなくターゲティング(オーディエンスや配信面)の単位で分けます。

キャンペーンはいくつが適正ですか?

決まった数はありません。判断基準は「分ける理由があるか」と「各キャンペーンに十分なCVが集まるか」の2つです。1サービスを全国に配信するなら、指名と一般の2つから始めるのが目安です。

構成を大きく変えると成果が落ちますか?

一時的に不安定になることがあります。キャンペーンを作り直すと、自動入札の学習がやり直しになるためです。統合は一度に全部ではなく、影響の小さいキャンペーンから段階的に進めるのが安全です。

まとめ|アカウント構成は「分ける理由がない限りまとめる」

本記事の要点を整理します。

まずは本記事の5つのチェックポイントで、自社のアカウント構成を確認してみてください。成果の数字から原因を探る方法はリスティング広告の分析方法、CPAの改善はCPAを下げる7つの打ち手で解説しています。

「今の構成が本当に最適なのか」「どこを直せば成果が出るのか」。これを客観的に把握したい方は、ClimbUp Agencyの完全無料アカウント診断をご活用ください。独自の診断書(15ページ以上のPDF)で、構成を含めた改善施策を最短1営業日でご提案します。

なお、ClimbUp Agencyの広告運用代行は運用手数料20%です。クリエイティブ制作・GA分析・LPO・タグ設定・戦略立案まで、基本料金内で対応しています。ただし現在は月額100万円を目安とした広告予算の方を対象としています。この規模に満たない場合は、本記事の内容をもとにインハウスで改善を進めてください。無料診断だけのご利用でも構いません。実際の改善内容は支援実績でご確認いただけます。

サービス内容・料金・実績をまとめた資料も無料でお送りしています。広告運用の改善を検討中の方は、資料請求からお気軽にどうぞ。

濱口 侑生

新卒で都内の大手Web広告代理店に入社し、運用コンサルタントとしてリスティング広告やMeta広告に従事。月間数千万円から2.5億円規模の大型予算案件を担当し、美容クリニック、不動産、旅行など幅広い業界で成果改善を実現。 「広告主への圧倒的なコミットメント」を追求するため、ClimbupAgency株式会社を創業。運用者一人の担当社数を最大4社に制限し、管理画面上の数値に閉じないマーケティング戦略立案から、タグ設計、LPOまで一気通貫で支援している。ビジョンは「共に歩み、共に登る。」。