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リスティング広告ツール完全ガイド|目的別15選と「管理画面外」の実装まで現役代理店が解説 

リスティング広告ツール完全ガイド|目的別15選と「管理画面外」の実装まで現役代理店が解説 

「リスティング広告のツールを調べると、名前ばかり並んでいてどれを使えばいいか分からない」

そんな声を、広告運用の担当者からよくいただきます。

ツールを羅列した記事は多くありますが、「自分の状況では何を優先すべきか」まで踏み込んだ解説はほとんどありません。 本記事では、リスティング広告のツールを4つのフェーズに整理し、目的別の使い分けを解説します。

筆者は都内大手Web広告代理店で月額300万〜2.5億円規模のアカウントを担当した後、ClimbUp Agencyとして独立しました。 実際に現場で使っているツールスタックを公開しながら、現役代理店の視点でお伝えします。

この記事を読み終えると、以下が分かります。

  • リスティング広告のツールを「目的別フェーズ」で整理する考え方

  • 計測・調査・LP改善・自動化それぞれの代表ツールと使い方

  • 「管理画面外の実装力」で成果が変わる理由

  • 代理店の質をツールで見極める3つの質問

なお、「現状の広告アカウントが最適か不安」という方向けに、ClimbUp Agencyでは完全無料のアカウント診断を提供しています。 独自の診断書(15ページ以上のPDF)で改善施策をご提案しますので、気になる方はこちらもご確認ください。


リスティング広告のツールを「目的別フェーズ」で整理する理由

本章では以下の2点を解説します。

  • ツールを羅列するだけでは成果につながらない理由

  • 4フェーズで整理する考え方

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ツールを羅列するだけでは成果につながらない理由

リスティング広告のツールは、探せば20個も30個も出てきます。 しかし「とりあえず全部入れる」では、工数だけが増えて成果につながりません。

ツールはあくまで手段です。 「何の課題を解決したいか」が決まっていなければ、どれほど優れたツールも宝の持ち腐れになります。

弊社の経験では、ツールを入れる前に「現在のどのフェーズに課題があるか」を明確にすることが、成果改善の最短ルートです。 計測が甘いまま分析ツールを入れても、見ているデータ自体が不正確では意味がありません。 まず計測を整えてから、調査・改善・自動化の順に取り組むことが基本です。

4フェーズで整理する考え方

リスティング広告のツールは、以下の4フェーズに整理できます。

フェーズ

目的

主なツール

① 計測

CVとユーザー行動を正確に把握する

GTM、GA4、コンバージョントラッキング

② 調査

KWと競合の状況を把握する

キーワードプランナー、オークション分析、SEMrush

③ 改善

LPとクリエイティブを改善する

Microsoft Clarity、Dejam、広告バリエーション

④ 自動化

運用工数を削減し、精度を高める

GASスクリプト、Looker Studio

本記事では、このフェーズ順に沿って各ツールを解説します。 「どのフェーズで詰まっているか」を意識しながら読み進めてください。


【計測フェーズ】コンバージョンを正確に把握するツール

計測は、リスティング広告運用の土台です。 ここが不正確なままでは、改善の判断材料がすべてズレます。

本章では以下の3つを解説します。

ツール

役割

費用

Google Tag Manager(GTM)

タグ管理の基盤

無料

Google Analytics 4(GA4)

ユーザー行動の分析基盤

無料

Google広告コンバージョントラッキング

広告成果の直接計測

無料(広告アカウント必要)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Google Tag Manager(GTM)|タグ管理の土台

GTMは、Webサイト上の各種タグ(計測コード)を一元管理するツールです。 Google広告・GA4・ヒートマップツール・LPOツールなど、あらゆる計測タグをGTM経由で設置・管理できます。

GTMの最大のメリットは、エンジニアへの依頼なしにタグの追加・修正が完結することです。 「タグを修正するたびに開発工数がかかる」という状況は、改善スピードを大きく損ないます。

弊社ClimbUp Agencyでは、運用開始時に必ずGTMの整備から着手します。 タグが正しく動いていない状態では、その後のすべての計測データが信頼できないからです。 「タグの設置はサイト制作時にやった」という場合でも、定期的な動作確認と棚卸しが必要です。

GTMはGoogleアカウントがあれば無料で利用できます(Google Tag Manager公式ヘルプ)。

Google Analytics 4(GA4)|ユーザー行動の分析基盤

GA4は、Webサイトへの流入・ユーザー行動・コンバージョンを分析するGoogleの無料ツールです。 2023年7月にUA(ユニバーサルアナリティクス)が廃止されたため、現在はGA4への移行が完了していることが前提です。

GA4を活用する上で特に重要なのが、イベント設計です。 「どのボタンのクリックをCVとして計測するか」「どこまでスクロールしたユーザーをエンゲージメント層とするか」。 こうした設計が甘いまま運用すると、広告の最適化精度が大きく下がります。

GA4のイベント設計は、GTMと組み合わせて設定するのが一般的です(Google Analytics公式)。 設定が複雑なため、代理店任せにしている場合は「GA4のイベント設計をどう設定しているか」を一度確認することをおすすめします。

Google広告コンバージョントラッキング|広告成果の直接計測

Google広告には、広告経由のCVを直接計測するコンバージョントラッキング機能があります。 GA4と併用するケースが多いですが、計測方法の違いによって数値に差が出る場合もあります。

重要なのは、「GA4とGoogle広告の数値がなぜズレるか」を理解した上で、どちらを最適化の基準にするかを決めることです。 この判断を曖昧にしたまま運用すると、最適化の方向性がブレます。

弊社では、計測フェーズの整備を「広告運用の0合目」と位置づけています。 計測が整って初めて、次の調査・改善フェーズに意味が生まれます。


【調査フェーズ】キーワード・競合を把握するツール

計測の基盤が整ったら、次は「何に広告費を使うか」の判断材料を集める調査フェーズです。

本章では以下の3つを解説します。

ツール

用途

費用

Googleキーワードプランナー

検索ボリューム・入札単価の把握

無料(広告アカウント必要)

Google広告オークション分析

競合の出稿状況把握

無料(管理画面内)

SEMrush / Spyfu

競合の広告文・KW調査

有料(一部無料)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Googleキーワードプランナー|KW設計の出発点

キーワードプランナーは、Google広告の管理画面から無料で使えるKW調査ツールです。 検索ボリュームの目安・競合性・入札単価の推定値を確認できます。

ただし、表示される検索ボリュームはあくまで推定値であり、鵜呑みにするのは禁物です。 「月間検索数1,000〜10,000」のような幅広い表示になるケースも多く、実際の数値とズレることがあります。

弊社が特に重視するのは、除外キーワードの設計です。 「どのKWに広告を出すか」だけでなく「どのKWには出さないか」の精度が、CPA(顧客獲得単価)に直結します。 キーワードプランナーは、除外KWの洗い出しにも活用できます。

Google広告オークション分析|競合の出稿状況を無料で把握する

オークション分析は、Google広告管理画面内で使える競合調査機能です。 同じオークションで競合しているドメインのインプレッションシェア・掲載順位・重複率などを確認できます。

「競合調査にお金をかけたくない」という場合、まずこの機能を使い倒すことをおすすめします。 無料でありながら、競合の出稿強度・弱点を把握するのに十分な情報が得られます。

弊社の経験では、この機能の存在は知りながら定期的に確認していない担当者が多くいます。 管理画面の中にある「宝の持ち腐れ」機能の典型例です。

SEMrush / Spyfu|競合の広告文・KWを深く調査する

SEMrushやSpyfuは、競合他社がどのKWに入札し、どんな広告文を出しているかを調査できる有料ツールです。 管理画面の外から競合の広告戦略を俯瞰できる点が最大の特徴です。

特に有効なシーンは、新規アカウントの立ち上げ時です。 競合がすでに検証を重ねた広告文・KW設計を参考にすることで、ゼロから試行錯誤するコストを削減できます。

費用は月額数万円〜が一般的ですが、競合調査ツールは代理店側が保有していることも多いです。 代理店に委託している場合は「競合の広告文をどう調査しているか」を一度聞いてみるとよいでしょう。


【改善フェーズ】LP・クリエイティブを改善するツール

計測・調査で課題が見えたら、次はLP(ランディングページ)とクリエイティブを改善する段階です。 広告のクリックを増やすだけでなく、LPのCVR(コンバージョン率)を上げることがCPA改善の近道です。

本章では以下の3つを解説します。

ツール

用途

費用

Microsoft Clarity

ヒートマップ・セッション録画

完全無料

Dejam

LPOツール(A/Bテスト・ポップアップ)

有料(要問合せ)

Google広告バリエーション

広告文A/Bテスト

無料(管理画面内)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Microsoft Clarity|無料で使えるヒートマップの決定版

Microsoft Clarityは、Microsoftが提供する完全無料のヒートマップ・行動分析ツールです。 ユーザーがLPのどこをクリックし、どこまでスクロールし、どこで離脱したかを視覚的に把握できます。 セッション録画機能も備わっており、実際のユーザーの操作を動画で振り返ることも可能です。

弊社ClimbUp Agencyでは、LP改善に取り組む際にClarityを必ず導入します。 「なんとなく離脱率が高い」という感覚論で動くのではなく、データで改善仮説を立てるためです。 「このボタンがクリックされていない」「このフォームで離脱している」という事実から動くことで、施策の精度が上がります。

弊社が支援した株式会社TYシステムサービス様の事例では、ClarityでLP上の離脱ポイントを特定しました。 その分析をもとにボタン文言とポップアップを改善した結果、成約率50%から70%への向上を実現しています。 無料ツールでもここまでの成果改善につながります。

計測データ数の上限もなく、完全無料で使い続けられます(Microsoft Clarity公式)。 「ヒートマップツールを導入したいが費用をかけたくない」という場合の最初の選択肢として強くおすすめします。

Dejam|LPOを「仮説→検証」サイクルで回すツール

Dejamは、LPのA/Bテスト・ポップアップ表示・EFO(入力フォーム最適化)をノーコードで実装できるLPOツールです。 「このキャッチコピーとこのキャッチコピー、どちらがCVRが高いか」を実際に検証できます。

LP改善においてよくある失敗は、「直感でLP全体をリニューアルして結果が悪化した」というパターンです。 Dejamのようなツールを使えば、変更箇所を絞ってデータを取りながら改善を積み上げられます。

前述のTYシステムサービス様の事例でも、Dejamによるポップアップ設置とボタン文言の改善を実施しました。 変更の効果を定量的に確認しながら進めたことで、成約率の向上につながっています。

Google広告バリエーション|広告文改善を管理画面内で完結させる

Google広告には、広告文のA/Bテストを管理画面内で実施できる「広告バリエーション」機能があります。 無料で使える上に、テスト結果の統計的有意差も自動判定してくれます。

弊社の経験では、この機能を定期的に活用している代理店とそうでない代理店では、広告文の改善スピードに大きな差が生まれます。 「広告文は入稿したら変えない」という運用は、改善の機会を大量に失っています。 最低でも月1回は広告バリエーションを回し続けることをおすすめします。


【自動化フェーズ】管理画面外の「実装力」が差を生むツール

自動化フェーズは、多くのツール記事がほとんど触れない領域です。 しかし、リスティング広告の成果を大きく左右するのは、管理画面内の操作だけではありません。 管理画面の外側にある実装力が、代理店間の成果差を生む大きな要因です。

本章では以下の3つを解説します。

ツール

用途

Google広告スクリプト(GAS)

運用業務の自動化・異常検知

Looker Studio

レポートの自動化・可視化

P-MAX・自動入札の正しい付き合い方

AI任せにしてはいけない設計の話

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Google広告スクリプト(GAS)|自動化の本命ツール

Google広告スクリプトは、JavaScriptを使ってGoogle広告の操作を自動化できる機能です。 以下のような業務を、スクリプトで自動化できます。

  • 月間予算の超過アラートをSlackやメールへ自動通知

  • 成果の悪いキーワードを自動で一時停止

  • 入札単価の自動調整

  • 定期レポートの自動生成

弊社ClimbUp Agencyでは、GASスクリプトを積極的に活用し、ルーティン業務の自動化を進めています。 自動化で生まれた時間を「戦略的な施策立案」に充てることが、コミット量を高める上で不可欠です。

スクリプトを書けない代理店では、このレベルの自動化ができません。 「担当者が手動でアラートを確認している」「毎月のレポート作成に丸一日かかっている」という代理店は、施策提案に使える時間が構造的に少なくなります。

Google広告スクリプトの公式ドキュメントはこちらを参照ください。

Looker Studio(旧データポータル)|レポートを自動化する

Looker Studioは、GA4・Google広告・その他データソースを接続し、自動更新ダッシュボードを作れる無料ツールです。

「毎月のレポート作成に数時間かかっている」という状況は、Looker Studioで大きく改善できます。 一度ダッシュボードを設計すれば、データは自動更新されます。 経営者や担当者が「見るべき数字をリアルタイムで確認できる」状態を作ることが目的です。

弊社が特に重視するのは、「見たい数字だけを見やすく並べる」設計です。 データが多ければ良いというわけではなく、意思決定に必要な指標を絞り込んだシンプルなレポートの方が、現場では機能します。

P-MAX・自動入札との正しい付き合い方

P-MAX(Performance Max)は、GoogleのAIが配信面・入札・クリエイティブを自動最適化するキャンペーンタイプです。 自動入札(目標CPA・目標ROAS等)と合わせて、多くの広告主が活用しています。

ただし、P-MAXや自動入札は「正しい設定がされているか」で結果が180度変わります。 以下の設計が甘いと、成果が悪化します。

  • コンバージョン目標の設定ミス(マイクロCVを最適化してしまう)

  • 除外設定の不足(不要なキーワードへの配信継続)

  • アセット(クリエイティブ)の質が低いまま配信

弊社の経験では、「P-MAXを入れたら成果が悪化した」という事例の多くが、設定の問題に起因します。 AIによる自動化は、正しい目標設定と除外管理があって初めて機能します。 P-MAXを運用している代理店に対しては、「アセット評価レポートを定期確認しているか」「除外リストをどう管理しているか」を確認することをおすすめします。


代理店の質を「ツール」で見極める3つの質問

4フェーズのツールを理解すると、あることに気づきます。 「担当代理店が本当にこれらのツールを活用しているかどうか」という視点です。

本章では以下の3つの質問を解説します。

  • 質問1:「Microsoft Clarityは入れていますか?」

  • 質問2:「GASスクリプトで何を自動化していますか?」

  • 質問3:「施策の変更履歴はどのように管理していますか?」

ツールの活用状況が、代理店の「コミット量」を示す

「提案してくれない」「レポートが薄い」という代理店への不満は、実はツールの活用状況に現れます。

AD HANDSの「中小企業のインターネット広告代理店活用に関する本音調査」によれば、広告主が代理店に抱く不満の3位は「新しい提案があまりない」、5位は「レポートの内容が薄い」です。 弊社の大手代理店での経験からも、この実態には心当たりがあります。 大手代理店では、運用者一人あたり7〜9社を担当するケースが多くあります。 担当社数が増えると、ヒートマップのデータを分析する時間もなく、スクリプトを書く余裕もなくなります。 ツールを使いこなせない状態は、コミット量の不足の結果として現れます。

逆に言えば、以下のツールを実際に活用している代理店は、「手を動かしている代理店」である可能性が高いです。

  • Microsoft Clarity(ヒートマップ・行動分析)

  • GASスクリプト(ルーティン業務の自動化)

  • 変更履歴管理シート(施策の振り返りの仕組み化)

ClimbUp Agencyが実際に使っているツールスタック

参考として、弊社ClimbUp Agencyが実際に活用しているツールスタックを公開します。

フェーズ

ツール

活用内容

計測

Google Tag Manager

全タグの一元管理。運用開始時に必ず整備

計測

Google Analytics 4

イベント設計〜行動分析まで設定・確認

計測

Google広告コンバージョントラッキング

広告直接成果の計測と最適化の基準設計

調査

Googleキーワードプランナー

KW設計・除外KW洗い出し

調査

オークション分析

競合の出稿強度の定期確認

改善

Microsoft Clarity

LP分析・離脱箇所の特定と改善仮説の立案

改善

Dejam

LP A/Bテスト・ポップアップ設置

自動化

GASスクリプト

予算アラート・入札調整・レポート自動生成

可視化

Looker Studio

自動更新ダッシュボードの設計・提供

これらのツールは、弊社が「管理画面外の実装力」として差別化している領域です。 弊社では担当顧客数を最大4社に制限することで、各ツールを丁寧に設計・活用するための時間を確保しています。

「今の代理店が何のツールを使っているか分からない」という場合は、一度確認してみることをおすすめします。

ClimbUp Agencyのサービス詳細はこちら


まとめ|リスティング広告ツールは「目的別フェーズ」で使い分けることが鍵

本記事の要点を整理します。

  • 計測フェーズ: GTM・GA4・コンバージョントラッキングで「正確なデータの土台」を作る

  • 調査フェーズ: キーワードプランナー・オークション分析・競合調査ツールで「戦略の根拠」を作る

  • 改善フェーズ: Microsoft Clarity・Dejam・広告バリエーションで「LPとクリエイティブの精度」を上げる

  • 自動化フェーズ: GASスクリプト・Looker Studioで「管理画面外の実装力」を発揮する

ツールはあくまで手段です。 「何の課題を解決したいか」が明確になって初めて、ツールは機能します。

また、代理店に広告運用を委託している場合、これらのツールが実際に活用されているかを確認することが、代理店の質を見極める上で有効な視点です。