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リスティング広告はフリーランスに依頼すべき?相場・探し方・契約6項目を元大手代理店が解説

公開日: 2026.05.21 更新日: 2026.10.20 濱口 侑生

「今の代理店、提案が全然来ないんだけど…」「フリーランスに頼んだほうが安くて融通がきくんじゃないか?」

こうした声を、弊社ClimbUp Agencyには毎月のようにいただきます。

結論から言うと、フリーランスへの依頼は「アリ」です。ただし条件があります。そして「フリーランスは安い」という前提は、実勢に照らすと正しくありません。

本記事では、都内の大手Web広告代理店で月額300万円〜2.5億円規模の広告運用を経験した弊社代表が、フリーランス・代理店それぞれの内情を踏まえて本音で比較します。

この記事を読み終えれば、以下が明確になります。

フリーランスの良し悪しを見極めずに発注すると、結局もう一度乗り換えるハメになります。外注先選びで二度と失敗したくない方は、ぜひ最後までお読みください。

なお、現状の広告運用に改善余地があるか気になる方は、弊社の完全無料のアカウント診断だけでもお試しいただけます。独自の診断書(15ページ以上のPDF)で改善施策をご提案します。

結論|リスティング広告をフリーランスに依頼してよい会社・やめたほうがいい会社

最初に結論からお伝えします。フリーランスへの依頼が機能するかどうかは、依頼する側の状態でほぼ決まります。

依頼してよい会社やめたほうがいい会社
月額広告費が50万円前後まで広告経由の売上比率が高く、停止が即座に事業へ響く
社内に広告の知識があり、指示を出せる「広告のことはわからないので丸ごと任せたい」
依頼したいのは管理画面の運用までLP改善・タグ整備・GA分析まで含めて任せたい

この3つは、あとの章で扱う「費用」「リスク」「対応範囲」の話がすべて集約された結果です。順に根拠を説明していきます。

フリーランスに依頼してよい会社の3条件

条件①:月額広告費が50万円前後までであること

この予算帯では、代理店の手数料(広告費の20%)は月10万円前後にしかなりません。代理店側も十分なリソースを割きにくい金額です。同じ予算なら、一人で動けるフリーランスのほうが手厚く見てもらえる可能性が高くなります。

条件②:社内にディレクションできる人がいること

フリーランスは基本的に「依頼されたことをやる」スタイルが多い傾向にあります。自ら課題を見つけて提案してくれる方もいますが、全員がそうではありません。社内に「今月はここを見てほしい」と言える人がいるかどうかで、成果は大きく変わります。

条件③:依頼範囲が管理画面の中で完結すること

キーワード設計・入札調整・広告文の入稿・レポート作成まで、という切り分けができていれば、フリーランスで十分に回ります。問題は、広告の成果が管理画面の外で決まるケースが少なくないことです。この点はリスクの章で詳しく扱います。

依頼を見送ったほうがいい3つのケース

ケース①:広告が止まると事業が止まる

フリーランスは一人で運用しているため、代替がききません。体調不良で数日連絡が取れない、という事態は個人である以上避けられません。広告経由の売上比率が高い事業ほど、この空白は致命的になります。

ケース②:「丸ごとお任せ」したい

戦略立案から提案まで期待するのであれば、その体制を仕組みとして持っている代理店のほうが噛み合います。フリーランスに「提案が来ない」と不満を持つ会社の多くは、そもそも提案を出す前提の契約になっていません。

ケース③:LP改善やタグ整備までまとめて任せたい

この場合、フリーランスに依頼しても結局は別の外注先を自分で束ねることになります。トータルコストで見ると代理店以上になるケースが多く、この点は「隠れコスト」の項で数字とともに説明します。

外注先は3タイプある|フリーランス・代理店・ハイブリッド型の違い

そもそも、リスティング広告の運用を外注する場合の依頼先は大きく3つに分かれます。

タイプ特徴手数料の実勢向いている予算帯
フリーランス個人で運用。柔軟だが属人的で対応範囲が限られる広告費の15〜20%〜月50万円
大手〜中堅代理店組織で運用。安定するが担当者のコミット量にバラつき広告費の20%月100万円〜
ハイブリッド型代理店少数精鋭。フリーランス並みのコミット量と組織の対応範囲広告費の20%月100万円〜

フリーランスの広告運用者は、大手代理店出身者が独立したケースが大半です。一人が企画から運用・レポートまで一貫して対応するため、代理店にありがちな「営業担当と運用担当の伝言ゲーム」が起きません。一方で、対応できる範囲はその人のスキルセットに依存します。

大手〜中堅代理店の強みは組織力です。GoogleやYahoo!から最新情報を直接入手できる認定パートナーも多く、安定した運用が期待できます。

ただし構造的な課題があります。運用担当者一人あたりの担当社数が多すぎる問題です。

弊社代表が在籍していた大手代理店では、運用者一人が7社以上を掛け持ちするのが常態でした。それ以上を抱えると、一社あたりに割ける時間が物理的に足りません。提案が月1回、レポートはテンプレート、質問への返答が翌週——こうした不満の原因は、担当者の能力ではなく「構造」にあります。

この問題意識は業界内でも共有されており、たとえば株式会社オーリーズは「担当社数4社以下」を自社の仕組みとして公表しています。

ハイブリッド型代理店は、フリーランスのメリット(担当者固定・コミット量)と代理店のメリット(組織の安定性・幅広い対応力)を掛け合わせた少数精鋭型です。具体的には以下のような特徴があります。

なお外注全般のメリット・デメリットや代理店の選び方は、リスティング広告を外注するメリット・デメリットと失敗しない代理店の選び方で詳しく解説しています。自社運用も選択肢に入れている方はリスティング広告は自分でできる?8割が失敗する現実と判断軸もあわせてご覧ください。

費用相場|フリーランスは広告費の15〜20%。「10%以下」は安さではなく品質のシグナル

フリーランスへの依頼を検討する方が最初に知りたいのは費用でしょう。ここは誤解が多いところなので、実勢に即して整理します。

手数料率の実勢|フリーランス15〜20%・代理店20%

「フリーランスは代理店より安い」というイメージが広く流通していますが、実際に成果を出せる運用者の手数料は、代理店とほとんど変わりません。

依頼先手数料率月額広告費100万円の場合
実績のあるフリーランス広告費の15〜20%15〜20万円
代理店・ハイブリッド型広告費の20%20万円
手数料10%以下を提示する運用者広告費の10%以下10万円以下

理由は単純です。フリーランスは一人で運用するため、抱えられる案件数に上限があります。一社あたりの単価を下げれば、その分だけ多くの案件を持たなければ食べていけません。つまり手数料率の低さは、そのまま一社あたりにかけられる時間の短さに直結します。

代理店の手数料が20%で高く見えるとすれば、それは「同じ20%で何をどこまでやるか」の中身が説明されていないからです。手数料率の比較は、対応範囲とセットでなければ意味がありません。

稼働ベース(固定報酬)で契約する場合の相場

手数料率ではなく、月の稼働工数に対して固定報酬を払う契約形態もあります。戦略設計から入ってほしい場合や、広告費の増減に報酬を連動させたくない場合に使われます。

Webマーケティング領域に特化した業務委託マッチングサービスミエルカコネクト(株式会社Faber Company運営)は、企業側の発注金額について「30万円前後が多い」と案内しています。報酬はプロジェクトの難易度・稼働工数・マーケターのスキルで決まるとされています。

ここで注意したいのが、手数料率型と稼働ベース型では損益分岐点が違うことです。

月額広告費50万円の場合、手数料20%なら報酬は10万円です。同じ人に稼働ベースで月30万円を払うのは割に合いません。逆に月額広告費300万円なら手数料は60万円になり、稼働ベースのほうが安く収まる可能性が出てきます。

広告費が小さいうちは手数料率型、大きくなるほど稼働ベース型が検討に値する——この順序で考えると判断しやすくなります。

「手数料10%以下」を提示されたときに確認すべきこと

クラウドソーシングなどでは、手数料10%以下、あるいは月額3万円といった提示を見かけます。金額だけを見れば魅力的ですが、その水準で受ける運用者がどういう状態にあるかを考えてください。

提示を受けたら、次の3点を必ず確認します。

  1. 同時に何社を担当しているか。10社を超えるなら、月の稼働は一社あたり数時間です
  2. 毎月の作業内容が具体的に何か。「運用・調整」としか答えられない場合、定型作業のみの可能性があります
  3. レポートの後に何をするのか。数字を出すだけで次の打ち手が出てこないなら、成果は動きません

安い提示そのものが悪いわけではありません。独立直後で実績を積みたい優秀な運用者が、戦略的に低単価で受けているケースも実際にあります。問題は、安さの理由を確認しないまま発注することです。

初期費用と最低契約期間

代理店では別途かかることが多い初期費用(アカウント構築費3〜5万円程度)が、フリーランスでは無料のケースもあります。最低契約期間も設定されないことが多く、この身軽さはフリーランスの実質的なメリットです。

ただし、契約期間の縛りがないことは、裏を返せば相手からもいつでも降りられるということです。契約の入口より、後述する解除時の取り決めのほうが重要になります。

リスティング広告そのものの費用構造や予算の決め方については、リスティング広告の費用相場は月20〜50万円|内訳と予算の決め方で詳しく解説しています。

リスティング広告をフリーランスに依頼する3つのメリット

費用面での優位が思ったほど大きくないとすると、フリーランスに依頼する意味はどこにあるのか。実は、価格以外のところにこそ本質的なメリットがあります。

担当者が固定される|「担当者ガチャ」が起きない

代理店では半年〜1年で担当者が異動・退職するケースが珍しくありません。引き継ぎのたびに自社のビジネスや過去の施策を一から説明し直す必要があります。

弊社代表が在籍していた大手代理店でも、担当変更のたびにクライアントから「また一からですか」と落胆の声をいただいていました。

フリーランスは基本的に同一人物が最後まで担当します。自社のビジネスへの理解が積み上がり続ける点は、組織である代理店が構造的に苦手とするところです。

意思決定が速い|伝言ゲームが発生しない

多くの代理店では営業担当と運用担当が分かれています。「広告主→営業担当→運用担当→営業担当→広告主」という伝達経路になるため、簡単な変更依頼でも数日かかることがあります。

フリーランスは運用者と直接やり取りします。チャットで依頼して当日中に反映される、というスピード感が期待できます。キャンペーンの立ち上がりや繁忙期の微調整では、この差がそのまま成果の差になります。

小規模予算でも手を動かしてもらえる

月額広告費が30万円、50万円といった規模では、代理店の受け取る手数料は6〜10万円です。組織として人件費をまかなうには小さい金額で、どうしても優先順位が下がります。

個人であれば固定費の構造が違うため、この予算帯でも採算が合います。「予算が小さいから丁寧に見てもらえない」という問題を回避できるのは、フリーランスの明確な強みです。

ちなみに弊社ClimbUp Agencyは、月額広告費100万円以上を目安にお受けしています。それ以下の規模であれば、無理に弊社を選んでいただく必要はありません。この記事で紹介する探し方や見極め方を使って、良いフリーランスを見つけていただくほうが成果は出ます。

リスティング広告をフリーランスに依頼する5つのリスク【代理店経験者の本音】

メリットだけを見て発注すると、後から痛い目に遭うことがあります。弊社代表が大手代理店の現場で見てきた経験をもとに、見落とされがちなリスクを5つお伝えします。

リスク影響度事前に打てる手
①属人性リスク(体調不良・音信不通)高連絡不通時の対応を契約に明記
②対応範囲の限界(管理画面の外に手が回らない)高業務範囲を書面で線引き
③ナレッジ共有の不在中情報収集の方法を面談で確認
④スキルの見極めが難しい中単発の仕事を先に発注して確かめる
⑤隠れコスト(トータルで高くつく)高周辺業務の外注費を合算して比較

①属人性リスク|体調不良・音信不通で広告が止まる

フリーランスは一人で運用しているため、代替がききません。体調不良で数日連絡が取れなくなる、急な家庭の事情で対応が遅れる——個人である以上、こうしたリスクは避けられません。代理店ならチーム内で引き継げますが、フリーランスにそのバックアップ体制はありません。

広告は24時間365日動いています。たった数日の空白でも、予算の無駄遣いや機会損失につながります。

対策としては、広告アカウントの管理者権限を自社で必ず保持しておくことです。これさえあれば、最悪の場合でも自社でキャンペーンを停止できます。詳しくは契約の章で扱います。

②対応範囲の限界|管理画面の「外」まで手が回らない

これは競合記事ではほとんど触れられていない重要なポイントです。

リスティング広告の成果は、管理画面の操作だけでは決まりません。実際には以下のような「管理画面の外」の施策が成果を大きく左右します。

フリーランスの多くは「リスティング広告の管理画面操作」に特化しています。上記のような周辺領域まで一人でカバーできる人材は、正直なところかなり稀です。

結果として、LP改善は別のデザイナーに、タグ整備は別のエンジニアに——と、複数の外注先を自分で束ねることになります。

③ナレッジ共有の不在|アルゴリズム変更に一人で対応

Google広告は頻繁にアップデートされます。P-MAXキャンペーンの仕様変更、自動入札のロジック変更、AI機能の追加など、変化のスピードは年々加速しています。

代理店であれば、媒体社からの最新情報が直接共有されたり、社内の勉強会でナレッジが蓄積されます。フリーランスの場合、こうした情報収集はすべて自力です。

優秀なフリーランスは自ら情報を取りにいきますが、組織的なナレッジ共有がある代理店と比べると、構造的に不利な面があります。面談では「最近のアップデートで運用をどう変えたか」を聞いてみてください。情報の取り方が一発でわかります。

④スキルの見極めが難しい|「数億円運用」の裏側

フリーランスを選ぶ際にもっとも難しいのが、スキルの見極めです。

弊社代表の経験から注意喚起したいのは、運用額の大きさだけで判断してはいけないという点です。

「月額数億円の広告運用をしていました」と聞くと実力がありそうに見えます。しかし実態は、認知目的のブロード配信(ターゲティングが広く、運用判断がほぼ不要な配信)を管理していただけ、というケースもあります。予算規模と運用難易度は比例しません。

具体的な見極め方は次の章で詳しく扱います。

⑤隠れコスト|手数料は安くてもトータルは高くつく

仮に手数料10%のフリーランスと、20%の代理店を比べるとします。一見フリーランスのほうが安く見えますが、「トータルコスト」で考えると話が変わります。

管理画面操作しかできないフリーランスに依頼した場合、以下の業務は別途外注が必要です。

追加で必要になる業務別途外注の相場
LP改善・修正5〜15万円/回
GA4イベント設計・タグ整備5〜10万円(初期)+保守
ヒートマップ分析3〜5万円/月
バナー・クリエイティブ制作3〜10万円/月

月額広告費100万円で考えてみます。手数料の差は10万円(10% vs 20%)。しかし管理画面外の外注費が月10〜30万円かかれば、トータルコストは代理店以上になります。

さらに見落とされがちなのが、複数の外注先を束ねる社内工数です。運用者・デザイナー・エンジニアの間に立って仕様をすり合わせる作業は、担当者の時間を確実に食います。

「手数料率」ではなく「管理画面外まで一気通貫で対応できるか」が、本当のコスト比較の軸です。

弊社ClimbUp Agencyでは、広告運用に加えてLP改善・GAタグ設計・WordPress実装・ヒートマップ分析までを手数料20%の範囲で対応しており、原則として追加料金はいただいていません(サービス内容の詳細はこちら)。

優秀なフリーランスの見極め方|5つの定量基準と面談で聞くべき質問

ここからは実務の話です。フリーランスに依頼すると決めた場合、どうやって見極めればいいのか。曖昧な印象論ではなく、数字で確認できる基準を示します。

数字で確認できる5つの定量基準

確認項目目安なぜ必要か
広告運用歴3年以上1年では季節性のある商材を一巡できない
経験社数10社以上成功パターンの引き出しの数に直結する
経験業種5業種以上同じ業種しか知らないと打ち手が固定化する
現在の同時担当社数5社以下自社に割ける時間の上限が決まる
管理画面外の対応可否LP改善・タグ設定まで可成果の大半はここで決まる

特に重要なのは4つ目の「現在の同時担当社数」です。この質問をする発注者はほとんどいませんが、契約後の満足度をもっとも左右します。

月160時間の稼働で10社を担当していれば、単純計算で一社あたり月16時間。週4時間です。その中でレポート作成と定例MTGを行えば、実際に手を動かして考える時間はほとんど残りません。

面談で必ず聞くべき5つの質問

実績表の数字は盛られることがあります。受け答えのほうが、はるかに多くを教えてくれます。以下はそのまま使える質問文です。

  1. 「直近で担当された案件で、CPAを何%改善しましたか。何をした結果ですか」
    運用額ではなく改善幅を聞きます。施策と結果をセットで語れない場合は、実務を主導していない可能性があります
  2. 「うまくいかなかった案件と、その原因を教えてください」
    失敗を言語化できる人は、再現性のある思考を持っています。「特にありません」という答えは危険信号です
  3. 「今、同時に何社を担当されていますか。弊社にはどのくらいの時間を使えますか」
    稼働の実態を数字で確認します
  4. 「CVが伸び悩んだとき、管理画面の外では何をしますか」
    LP・計測・フォームに話が及ぶかどうかで、対応範囲がわかります
  5. 「連絡が数日取れない事態が起きたとき、どうなりますか」
    答えにくい質問ですが、ここを曖昧にしたまま発注すべきではありません

いちばん確実なのは「単発の仕事を先に買う」こと

ここまで質問を並べておいて恐縮ですが、面談だけで実力を測るのには限界があります。話がうまい運用者もいれば、実力はあるのに説明が下手な運用者もいます。

もっとも確実なのは、いきなり運用を任せず、単発の仕事を先に発注して成果物を見ることです。

アカウント診断、キーワード設計案、初月の運用プランなど、数千円〜数万円で頼めるものを依頼します。返ってきたアウトプットの量と質を見れば、実力は一目瞭然です。

実際、弊社がお取引をいただいている株式会社TYシステムサービス様(シャッターの修理・取付・メンテナンス事業)は、この方法で外注先を見極められました。

同社のマーケティング担当・遊馬様は、当時契約していた代理店の対応に課題を感じていました。返信に数日、上司確認が入ると1週間以上。「なぜダメだったのか」という説明もありません。そこでココナラで「アカウント診断」を検索し、数千円で弊社の診断を購入されました。

返ってきたのは15枚のスライドでした。前の代理店が1年間放置していた課題が整理されているのを見て、乗り換えを即決されたとのことです。

株式会社TYシステムサービス様 導入事例

この話のポイントは、クラウドソーシングを「安く運用を頼む場所」ではなく「発注前に腕を見る場所」として使ったことです。数千円で外注先選びの失敗を回避できるなら、これほど費用対効果の高い投資はありません。

同じことは弊社にも遠慮なくお試しください。アカウント診断は無料で、15ページ以上のPDFで改善施策をご提案しています。他社と比較する際の判断材料としてお使いいただいて構いません。

どこで探すか|5つのルートと向き不向き

見極め方がわかっても、母集団がなければ始まりません。フリーランスの広告運用者を探すルートは、大きく5つあります。

ルートスキルの確度費用感手間
①知人・取引先からの紹介高相場どおり小(ただし縁次第)
②マーケ特化のマッチングサービス高相場〜やや高め小
③クラウドソーシング低〜高(幅が大きい)安い〜相場大(選別が必要)
④SNS・検索で直接コンタクト中〜高相場中
⑤代理店に相談する高広告費の20%小

①知人・取引先からの紹介

もっとも失敗が少ないルートです。実際に一緒に仕事をした人からの紹介であれば、スキルだけでなく仕事の進め方や連絡の速さまで事前にわかります。

デメリットは、縁がなければ成立しないことと、合わなかったときに切りづらいことです。紹介であっても、契約条件は書面で明確にしておいてください。

②マーケティング特化のマッチングサービス

Webマーケティング人材に特化した業務委託マッチングサービスを使う方法です。運営側が事前にスキルを確認しているため、母集団の質が安定しています。

「自社で見極める自信がない」「選考に時間をかけられない」という場合は、このルートがもっとも現実的です。

③クラウドソーシング(クラウドワークス・ランサーズ・ココナラ)

もっとも間口が広く、価格も幅があるルートです。登録者の実力差が大きいため、運用そのものをいきなり任せる場所としては推奨しません。

ただし前章で触れたとおり、「発注前の腕試し」の場としては非常に優秀です。アカウント診断やキーワード設計といった単発の仕事を数千円〜数万円で複数人に依頼し、成果物を並べて比較すれば、実力差は驚くほどはっきり出ます。

使い方を間違えなければ、コストパフォーマンスが最も高いルートです。

④SNS・検索で直接コンタクト

X(旧Twitter)やnoteで運用ノウハウを発信している運用者に、直接連絡する方法です。発信内容そのものがポートフォリオになるため、考え方が自社と合うかどうかを事前に判断しやすいのが利点です。

注意点は、発信が上手いことと運用が上手いことは別だということです。実績の確認と単発発注による検証は、このルートでも省略しないでください。

⑤代理店に相談する

「結局は代理店の宣伝か」と思われるかもしれませんが、選択肢として並べておくべきものです。

フリーランスを探す手間、見極めるリスク、契約条件を自社で設計する負担——これらをまとめて外すのが代理店という選択です。月額広告費が100万円を超えてくると、手数料の差よりも「探す・見極める・束ねる」コストのほうが大きくなります。

代理店を比較検討する場合は、中小企業向けWeb広告代理店おすすめランキング|担当者ガチャを避ける5つの選定基準と、エリア別では東京のリスティング広告代理店8選をご覧ください。すでに代理店と契約中で乗り換えを考えている方は、リスティング広告の乗り換えで失敗しない判断軸が参考になります。

契約前に決めておく6項目|最大の地雷は「広告アカウントの所有権」

ここが本記事でもっともお伝えしたい章です。

フリーランスへの発注で起きるトラブルの大半は、スキル不足ではなく取り決めをしていなかったことが原因です。以下の6項目は、契約書または書面のやり取りで必ず明確にしてください。

①広告アカウントの所有権と管理者権限

最大の地雷がこれです。

Google広告やLINEヤフー広告(旧Yahoo!広告)のアカウントを誰の名義で開設するかで、契約終了時の結末がまったく変わります。

パターン契約終了時に何が残るか
自社名義で開設し、運用者に管理者権限を付与アカウント・過去データ・自動入札の学習がすべて手元に残る
運用者名義のアカウントで運用してもらうアカウントごと引き上げられ、過去データも学習もゼロからやり直し

後者は想像以上に深刻です。自動入札は過去のコンバージョンデータを学習して精度を上げていきます。アカウントを失うということは、それまでに投じた広告費で買った学習データをすべて捨てるということです。数ヶ月分の成果が巻き戻ります。

必ず自社名義でアカウントを開設し、運用者には管理者権限を付与する形にしてください。これはフリーランスに限らず、代理店に依頼する場合も同じです。

②広告費の立替と支払いフロー

広告費を誰がどう支払うかを決めます。自社のクレジットカードを媒体に直接登録するのか、運用者が立て替えて後で精算するのか。

個人が数百万円の広告費を立て替えるのは現実的ではないため、自社での直接支払いを基本とすべきです。あわせて、媒体からの返金や請求の締め日の扱いも決めておきます。

③業務範囲|管理画面の「中」と「外」の線引き

もっとも認識のズレが生まれやすい項目です。「広告運用をお願いします」だけでは、以下が誰の仕事なのか決まりません。

「やってくれると思っていた」が積み重なると、双方にとって不幸な契約になります。

④報酬の算定根拠と支払期日

手数料率型なら「何に対する何%か」を明確にします。広告費に対してなのか、媒体費と制作費の合計に対してなのかで金額が変わります。

成果報酬型を採る場合は、成果の定義(何をもってCVとするか)と計測方法を必ず文書化してください。ここが曖昧なまま走り出すと、成果の数え方をめぐって必ず揉めます。

⑤クリエイティブの著作権と成果物の帰属

バナーや広告文、LPの改善案など、運用者が制作した成果物の権利が誰に帰属するかを決めます。

取り決めがない場合、契約終了後にそれらを使い続けてよいかが不明確になります。一般的には、納品後の著作権を発注者に譲渡する形にしておくのが安全です。

⑥中途解除と引き継ぎの取り決め

契約を終える際のルールを、契約を始めるときに決めます。

特に3つ目は、属人性リスクへの唯一の実効的な備えです。

発注する側にも法律上の義務がある|フリーランス法

意外に知られていませんが、フリーランスに業務を委託する側にも法律上の義務があります。

2024年11月1日に施行された「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(通称:フリーランス・事業者間取引適正化等法、フリーランス法)です。

発注側に課される主な内容は次のとおりです。

義務内容
取引条件の明示業務委託をしたら直ちに、書面または電磁的方法(メール・チャット等)で条件を明示する。口頭は不可
報酬支払期日給付を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間で定め、その期日までに支払う
7つの禁止行為
(1か月以上の委託)
受領拒否/報酬の減額/返品/買いたたき/購入・利用強制/不当な経済上の利益の提供要請/不当な給付内容の変更・やり直し
中途解除の事前予告
(6か月以上の委託)
原則として少なくとも30日前までに予告する

明示すべき項目は、両者の名称、業務委託をした日、給付の内容、給付を受領する期日と場所、報酬の額と支払期日など8項目が定められています。

そして広告業に関わる方に知っておいていただきたいのが、次の事実です。

公正取引委員会は、フリーランスとの取引が多い業種として放送業および広告業を対象に集中的な調査を実施し、2025年10月までに128名の事業者に対して是正を求める指導を行ったと公表しています(2025年12月10日発表)。

公正取引委員会「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律に基づく指導等について」

広告業は、この法律の運用で真っ先に集中調査を受けた業界です。「個人相手だから口約束でいいだろう」という感覚のまま発注するのは、コンプライアンス上のリスクを抱えることを意味します。

逆に言えば、取引条件を書面で明示することは法律上の義務であると同時に、前述の6項目を自然に整理させてくれる仕組みでもあります。面倒な手続きではなく、自社を守る作業だと捉えてください。

制度の詳細は公正取引委員会のフリーランス法特設サイトで確認できます。

フリーランスか代理店か|5つの判断基準

ここまでの内容を踏まえ、自社にとってどの外注先が最適かを判断する5つの基準を整理します。

判断基準フリーランス向き代理店・ハイブリッド型向き
月額広告予算〜50万円程度100万円以上
求める対応範囲管理画面の運用のみでOKLP改善・タグ整備・GA分析まで必要
社内の広告知識中級者以上(自社でディレクション可能)初心者〜(丸ごと任せたい)
コミュニケーション自らPDCAを主導できる定期提案を外注先から出してほしい
リスク許容度担当者の急な離脱を許容できる安定稼働が必須

基準①:月額広告予算

月額50万円以下の場合、代理店の手数料(20%)は月10万円以下です。この金額帯では代理店側も十分なリソースを割きにくいため、フリーランスのほうが手厚い対応を受けられる可能性があります。

一方、月額100万円以上になると、判断が逆転します。予算が大きくなるほど「管理画面外の対応力」が成果を左右するうえ、フリーランスを探し・見極め・束ねる社内コストが手数料差を上回ってくるためです。

50万円〜100万円はちょうど境目です。対応してほしい範囲の広さで判断してください。

基準②:求める対応範囲

「Google広告の入稿・入札調整・レポートだけでいい」のであれば、フリーランスで十分です。

しかし「LP改善も」「GAのイベント設計も」「クリエイティブ制作も」と求める範囲が広がるなら、一人では対応しきれません。管理画面の外まで対応できる代理店やハイブリッド型のほうが、結果的にスムーズです。

基準③:社内の広告知識

社内に広告運用の経験者がいて、フリーランスへの指示・ディレクションを自社で行えるなら、協業はうまくいきやすいでしょう。

逆に「広告のことはよくわからないから丸ごとお任せしたい」という場合は、戦略立案から提案してくれる代理店のほうが安心です。

基準④:コミュニケーション

フリーランスは「依頼されたことをやる」スタイルが多い傾向にあります。自ら課題を見つけて提案してくれる方もいますが、全員がそうではありません。

「週1回以上の施策提案が欲しい」「定例MTGで改善案を出してほしい」という場合は、提案体制が仕組み化されている代理店が向いています。弊社ClimbUp Agencyでは「最低週1回の施策提案」を自社のルールとして掲げています。

基準⑤:リスク許容度

急な体調不良や廃業で広告が止まるリスクを許容できるかどうかは、事業規模や広告依存度で変わります。

広告経由の売上比率が高い事業ほど、安定稼働のリスクヘッジとして組織体制のある代理店を選ぶべきです。CPAの改善余地から先に把握したい方は、リスティング広告のCPAを下げる7つの打ち手|業界相場と診断フレームもあわせてご覧ください。

実例|外注先の見極め方で成果が変わった2社

弊社ClimbUp Agencyの導入事例から、外注先選びの観点で参考になる2社をご紹介します。

数千円の診断が決め手になった|株式会社TYシステムサービス様(成約率50%→70%)

シャッターの修理・取付・メンテナンスを手がける同社は、前述のとおりココナラで購入した数千円のアカウント診断をきっかけに、弊社へ乗り換えられました。

実際に着手した施策は以下のとおりです。

結果として、広告経由の成約率が50%から70%に改善しました。

注目していただきたいのは、成果改善の大半が「管理画面の外」の施策だった点です。LP文言の変更もGoogleビジネスプロフィールの設定も、リスティング広告の管理画面には存在しません。フリーランス一人では対応しづらい領域が、成果を決めました。

詳細は導入事例インタビューでご覧いただけます。

月2,000万円規模でも決め手は対応の速さ|Ameripros合同会社様(CPA30%改善)

美容医療クリニックの経営支援を行うAmeripros様は、月額広告予算2,000万円弱という大規模案件です。ご担当のK.S様は外資系戦略コンサルティングファームのご出身で、論理的な説明を重視される方でした。

印象的だったのは、海外出張中に発生したブランドキーワードの除外設定トラブルを、当日〜翌日で原因特定から改善提案まで完了した対応です。K.S様からは「外資系戦略コンサルファームの人材と比較しても遜色ない総合力」と評価いただいています。

この規模になると、属人性リスクを負ってまでフリーランスに任せる合理性はほぼなくなります。その他の支援実績はこちらからご覧ください。

リスティング広告のフリーランス依頼に関するよくある質問

フリーランスと代理店、結局どちらが安いですか?

手数料率だけを見れば同程度(フリーランス15〜20%、代理店20%)です。差が出るのは、LP改善やタグ整備といった管理画面外の業務を別途外注する必要があるかどうかです。これらを含めたトータルで比較すると、代理店のほうが安くなるケースは珍しくありません。

月額広告費が10万円程度でも依頼できますか?

フリーランスであれば受けてもらえる可能性があります。ただしこの規模では手数料が月1〜2万円にしかならないため、稼働時間はごく限られます。自社運用で基礎を固めてから外注を検討するほうが、結果的に成果は出やすくなります。

契約前に必ず確認すべきことは何ですか?

広告アカウントの所有権です。必ず自社名義でアカウントを開設し、運用者には管理者権限を付与する形にしてください。運用者名義のアカウントで運用すると、契約終了時にアカウントごと失い、蓄積した自動入札の学習データもゼロに戻ります。

フリーランスに依頼する場合、契約書は必要ですか?

必要です。2024年11月施行のフリーランス法により、発注側には取引条件を書面または電磁的方法で明示する義務があります。口頭での取り決めは認められません。公正取引委員会は広告業を集中調査の対象としており、対応は任意ではなく義務だとお考えください。

成果が出なかった場合、すぐに切り替えられますか?

契約内容次第です。最低契約期間が設定されていないことが多いフリーランスは身軽に見えますが、引き継ぎ資料の取り決めがないと、切り替え時に運用履歴が何も残りません。解約の申し入れ期限と引き継ぎ資料の範囲を、契約時に決めておいてください。

効果が出るまでにどのくらいかかりますか?

依頼先がフリーランスか代理店かにかかわらず、機械学習の期間として2〜4週間、成果が安定するまでに3〜6ヶ月が目安です。詳しくはリスティング広告の効果が出るまでは何ヶ月?で解説しています。

まとめ|手数料率ではなく「どこまで任せられるか」で選ぶ

本記事のポイントを整理します。

繰り返しになりますが、月額広告費が50万円前後までであれば、無理に代理店を選ぶ必要はありません。この記事の探し方と見極め方を使って、良いフリーランスを見つけてください。

一方で、月額100万円以上の予算があり、LP改善やタグ整備まで含めて一気通貫で任せたいのであれば、弊社ClimbUp Agencyが選択肢になります。担当顧客数を最大4社に制限し、全員が営業兼運用者として直接対応する体制です。フリーランスの機動力と代理店の組織力を兼ね備えた形で、貴社の広告成果にコミットします。

サービス内容・料金・実績をまとめた資料を無料でお送りしています。まずは資料でサービスの全体像をご確認ください。

具体的な改善余地が知りたい方は、完全無料のアカウント診断をご利用ください。独自の診断書(15ページ以上のPDF)で、改善施策を最短1営業日でご提案します。他社と比較する際の判断材料としてお使いいただいて構いません。

濱口 侑生

新卒で都内の大手Web広告代理店に入社し、運用コンサルタントとしてリスティング広告やMeta広告に従事。月間数千万円から2.5億円規模の大型予算案件を担当し、美容クリニック、不動産、旅行など幅広い業界で成果改善を実現。 「広告主への圧倒的なコミットメント」を追求するため、ClimbupAgency株式会社を創業。運用者一人の担当社数を最大4社に制限し、管理画面上の数値に閉じないマーケティング戦略立案から、タグ設計、LPOまで一気通貫で支援している。ビジョンは「共に歩み、共に登る。」。