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リスティング広告のキーワード選定|6ステップの手順と2026年AI時代の新常識【元大手代理店が解説】

公開日: 2026.05.30 更新日: 2026.08.23 濱口 侑生

「思いつくキーワードを片っ端から登録したのに、問い合わせが増えない」。
リスティング広告でつまずく原因の多くは、配信後の調整ではなくキーワード選定にあります。
逆に言えば、ここを正しい手順で組み立てるだけで、同じ予算でも成果は大きく変わります。

結論はシンプルです。
キーワード選定は「洗い出す→広げる→調べる→絞る→設定する→除外する」の6ステップで進めます。
2026年はAIが検索意図を読み取るため、大量登録ではなく意図単位でまとめる設計が正解になりました。

本記事では、元大手代理店の運用者が実務でそのまま使っている手順を公開します。
すぐ手順だけ知りたい方は6ステップの全体像へ、登録数で迷っている方はキーワードは何個登録すべきかへ進んでください。
自社アカウントのキーワードが適切かを他社の目で確かめたい場合は、無料のアカウント診断で15ページ超のレポートをお渡ししています。

リスティング広告のキーワード選定とは?成果の8割はここで決まる

キーワード選定とは、「どの検索をした人に広告を見せるか」を決める作業です。
広告文やLPをどれだけ磨いても、見せる相手を間違えれば成果は出ません。
つまり選定は、広告運用のなかで最初にして最大の設計工程です。

そもそもリスティング広告の仕組みから確認したい方は、リスティング広告とは?初心者向けの基礎知識もあわせてご覧ください。

「検索キーワード」と「検索語句」は別物

選定の前に、混同されやすい2つの言葉を整理します。
この違いを理解していないと、除外キーワードの設計が必ずずれます。

用語意味決める人
検索キーワード広告主が管理画面に登録する言葉広告主
検索語句(検索クエリ)ユーザーが実際に検索窓へ打ち込んだ言葉ユーザー

登録したキーワードと、広告が表示された検索語句は一致しません。
「シャッター 修理」で登録しても、「シャッター 修理 求人」で表示されることがあります。
この差を埋める作業が、後述するSTEP6の除外設定です。

【全体像】キーワード選定は6ステップで進める

キーワード選定は、次の6ステップに分解すると迷いません。
各ステップのゴールと使うものを先に押さえておきましょう。

STEPやることゴール
1軸キーワードを洗い出す商材の呼ばれ方を10〜30個そろえる
2掛け合わせで広げる目的・地域・比較などの語で候補を増やす
3ツールで検索数と単価を調べる需要と相場を数字で把握する
4CVに近い順へ絞る予算を配分する優先順位を決める
5広告グループとマッチタイプを設定意図単位でまとめ、AIが学習できる形にする
6除外キーワードを設定する成果につながらない検索を止める
キーワード選定6ステップの全体像。STEP1軸キーワード、STEP2掛け合わせ、STEP3検索ボリューム、STEP4CV優先順位、STEP5グループ分け、STEP6除外キーワードの順に進み、配信後は検索語句レポートを見て毎週見直すことを示した図
キーワード選定は一度で終わらせるものではなく、STEP1〜6を回しながら毎週調整していく作業です。

所要時間の目安は、初回で3〜5時間ほどです。
一度作れば終わりではなく、配信後の検索語句レポートを見ながら毎週手を入れていきます。

STEP1|軸キーワードを洗い出して「呼ばれ方」をそろえる

最初にやるのは、商材が世の中でどう呼ばれているかの棚卸しです。
社内の正式名称だけで登録すると、検索需要の大半を取りこぼします。

洗い出しの切り口は、次の5つを使います。

ここで最も価値があるのは、4つめの「課題・症状の言葉」です。
商材名を知らない層こそ、競合が拾いきれていない領域だからです。
問い合わせ履歴や商談メモを見返すと、顧客が実際に使った表現が必ず見つかります。

STEP2|掛け合わせでキーワードを広げる

軸キーワード単体では、検索する人の目的まで絞り込めません。
そこで軸に「サブキーワード」を掛け合わせ、意図が明確な組み合わせを作ります。

サブの種類拾える層
行動依頼・代行・見積もり今すぐ客
比較検討おすすめ・比較・ランキング検討中
条件費用・料金・相場予算を確認中
地域東京・名古屋・福岡近くで探している
不安失敗・デメリット・評判踏み切れていない
軸キーワード「シャッター修理」に行動・比較検討・条件・地域・不安の5種類のサブキーワードを掛け合わせ、購買に近い層から順に整理した図
まず予算を寄せるのは、最上段の「行動」の掛け合わせです。

「軸×サブ」の2語が基本形です。
3語以上の掛け合わせは検索数がごくわずかになるため、初期は無理に増やしません。
ロングテールの考え方を詳しく知りたい方は、ロングテールキーワードの探し方・選び方で解説しています。

なお表記ゆれは、原則として個別登録が不要です。
ひらがな・カタカナ・送り仮名の違いは媒体側が自動で対応します。
ゆれを潰すために登録数を増やすと、管理が煩雑になるだけで成果には結びつきません。

STEP3|ツールで検索数と単価を確認する

候補が出そろったら、需要と相場を数字で確かめます。
感覚で選ぶと、検索されない言葉に予算を割く事故が起きます。

実務で使うのは、次の3つで足ります。

  1. キーワードプランナー:月間検索数とクリック単価の相場を確認する
  2. ラッコキーワード:サジェストや関連質問から、悩みの言い回しを集める
  3. 生成AI(ChatGPT等):業界特有の言い換えや、除外候補を一気に列挙する

生成AIは便利ですが、出力をそのまま登録してはいけません。
実在しない用語や、商材と関係のない言葉が混ざるためです。
AIには「候補を広げる役」を任せ、採否は必ず人が判断します。

目的別のツールの選び方は、リスティング広告ツール完全ガイドにまとめています。

STEP4|CVに近い順に優先順位をつける

予算は有限なので、成約に近いキーワードから配分します。
判断軸は検索数ではなく、その検索をした人がどれだけ買う気かです。

検索意図は、次の4分類で整理すると出し分けが決まります。

意図検索の例送る先優先度
Buy(買いたい)見積もり・依頼・料金申込LP最優先
Do(やってみたい)無料・体験・診断お試しページ
Go(行きたい)サービス名・社名公式トップ高(防衛)
Know(知りたい)とは・仕組み・違い解説コンテンツ後回し
検索意図をKnow・Go・Do・Buyの4分類に整理し、それぞれの検索例・送るべきページ・優先度を購買意欲の高さ順に並べた図
購買意欲が高いBuy層から優先的に予算を配分します。

Know層のキーワードは検索数が多く、つい取りにいきたくなります。
しかし予算が限られる中小企業では、まずBuy・Doに寄せるのが鉄則です。
Know層はSEO記事で受け止め、広告費を使わずに接点を作る方が効率的です。

広告とSEOの役割分担については、SEOとリスティング広告の違いと併用戦略で詳しく解説しています。
送り先のページ設計は、リスティング広告のLPの作り方もあわせてご確認ください。

STEP5|広告グループを分け、マッチタイプを決める

ここが2026年で最も考え方が変わった工程です。
結論から言うと、グループは意図単位でまとめ、マッチタイプはインテントマッチを主役にします

広告グループは「1KW1グループ」ではなく意図単位でまとめる

かつては1広告グループに1キーワードまで細分化する手法が主流でした。
今は逆で、細かく割りすぎるとデータが分散し、AIの学習が進みません。
「修理を頼みたい人」「費用を知りたい人」のように、意図でまとめる方が成果は安定します。

グループ分けの具体的な設計手順は、リスティング広告のアカウント構成で図解しています。

マッチタイプは3種類。主役は「インテントマッチ」

マッチタイプは、登録した言葉をどこまで広く解釈するかの設定です。
2024年7月16日、Google広告・Yahoo!広告はそろって「部分一致」を「インテントマッチ」へ名称変更しました。
名称のみの変更で、機能面の仕様は変わっていません。

マッチタイプ表示される範囲使いどころ
完全一致登録語とほぼ同じ意味の検索のみ指名・重要語の防衛
フレーズ一致登録語の意味を含む検索意味を保ったまま広げたいとき
インテントマッチ意図が近ければ登録語を含まない検索にも表示拡張の主役

インテントマッチは、検索履歴や地域などのシグナルをAIが読み取って配信先を判断します。
拾える範囲が広い分、除外設定とセットで運用することが前提になります。
シグナルの仕組みは部分一致の「シグナル」とは?4つの種類、完全一致の判定範囲は完全一致とは?フレーズ一致・部分一致との違いで解説しています。

それでも完全一致を残す3つのケース

AIに任せるのが基本でも、次の3つは完全一致で守ります。

  1. 自社の指名キーワード:競合に横取りされないための防衛
  2. 意味を取り違えられやすい専門用語:同音・類似語で別業界に流れるのを防ぐ
  3. 予算が小さいアカウント:日予算が数千円なら、拡張より確実性を優先する

STEP6|除外キーワードでAIの暴走を止める

インテントマッチを使うほど、除外設定の重要度は上がります。
放置すると「求人」「中古」「自分で」「無料」といった、売上につながらない検索を拾い続けるためです。
運用者の仕事は、広告を出すこと以上に出さない場所を決めることにあります。

除外の定番カテゴリは次のとおりです。

ただし除外のしすぎは機会損失になります。
迷ったら即除外ではなく、まず1〜2週間データを見てから判断してください。
マッチタイプ別の除外の効き方は、除外キーワードのマッチタイプとは?で整理しています。

除外の見直しだけでCPAが約30%改善した例

除外設定は地味ですが、数字への影響は大きい領域です。
月間広告予算2千万円弱を運用する美容医療クリニックの支援では、ブランドキーワードの除外設定の見直しを含む改善によって、CPAが最悪期から約30%改善し、広告費も約20%削減しました。
広告費を減らしながら売上は横ばい〜微増を維持しています(事例インタビュー01)。

もう1件、シャッター修理を手がける株式会社TYシステムサービスの事例も参考になります。
「メーカーだと思って電話してくる」「対応エリア外から問い合わせが来る」という無駄が発生していました。
エリア設定の最適化とLPへの「メーカーではありません」という明記で無駄を削り、成約率は約50%から70%へ改善しています(事例インタビュー03)。

この2件に共通するのは、キーワードを足したのではなく見せない相手を決め直した点です。
キーワード選定の伸びしろは、追加より除外にあると考えてください。

キーワードは何個登録すべき?目安と上限

結論として、登録数の正解は「予算とグループ設計から逆算した数」です。
上限まで詰め込む意味はありません。

Google広告の上限は、公式ヘルプで次のとおり公開されています。

ただし実務では、1広告グループあたり5〜20個程度に収める構成が扱いやすくなります。
意図がそろった少数のキーワードにデータを集めた方が、AIの学習は速く進むためです。
数百個を1グループに詰め込むと、どの検索が効いているのか人間側が判断できなくなります。

Yahoo!広告にも登録上限があり、Google広告とは数値が異なります。
両媒体を併用する場合は、それぞれのヘルプで最新の上限を確認してください。

配信後の見直しで成果を伸ばす

キーワード選定は、配信開始でいったん終わりではありません。
成果を決めるのは、むしろ配信後の毎週の手入れです。

検索語句レポートを週1回は見る

実際にどんな検索で広告が出たかは、検索語句レポートで確認できます。
見るべきポイントは3つです。

分析の進め方は、リスティング広告の分析方法で手順化しています。

クリック単価は「品質」で下げられる

同じキーワードでも、支払うクリック単価は広告主ごとに変わります。
実際のクリック単価は、次の式で決まります。

実際のクリック単価 = 1つ下の順位の競合の広告ランク ÷ 自社の品質スコア + 1円

実際のクリック単価(CPC)|Google 広告 ヘルプ

1つ下の競合の広告ランクが1,500、自社の品質スコアが10なら、1,500÷10+1で151円です。
キーワードと広告文とLPの整合性を高めれば、同じ順位でも支払額は下がります。
単価の考え方はリスティング広告のクリック単価相場、評価の仕組みは品質スコアとは?広告ランクの上げ方で解説しています。

なお管理画面の品質スコアは、あくまで過去の実績をまとめた指標です。
オークションはその瞬間の関連性で判定されるため、10点でも安心はできません。
逆にスコアが低くても、検索した人との適合度が高ければ上位に出ることがあります。

2026年の新常識|「文字列」から「意図」への転換

ここまでの手順の背景には、オークションの仕組みそのものの変化があります。
今の判定は言葉の一致度ではなく、その人が今どんな状況にいるかの推測で動いています。

AIが見ているのは、検索語句だけではありません。

「リスティング広告」と検索した人でも、意味を調べたい人と依頼先を探している人がいます。
AIはその差をミリ秒単位で判定し、出す広告と入札額を変えています。
この処理に、手作業の細かいキーワード管理で対抗することはできません。

だからこそ、人間の役割は「登録すること」から「AIに正しい教材を与えること」へ移りました。
意図単位のグループ設計、CVデータの集約、除外による軌道修正。
この3つが、2026年のキーワード運用の中心業務です。

キーワード選定でよくある失敗3つ

失敗1|検索数の多いビッグワードだけを狙う

検索数が多い言葉は、競合も入札しているため単価が高くなります。
予算が小さいうちにビッグワードへ寄せると、数十クリックで日予算が尽きます。
まずはBuy・Doの掛け合わせから始め、CVが安定してから範囲を広げてください。

失敗2|設定して放置する「AI任せ運用」

AIの精度が上がったことで、設定後に手を入れない運用が増えました。
朝に管理画面を眺めるだけ、定例前日に数字をまとめるだけ、という代理店も実在します。
インテントマッチは放置すると配信範囲が広がり続けるため、無駄クリックは自動では止まりません。

ClimbUp Agencyが1人あたりの担当を4社までに限定しているのは、この毎日の点検を成立させるためです。
代理店の運用体制を見極める観点は、リスティング広告を外注するメリット・デメリットにまとめています。

失敗3|そもそも検索需要がない商材で消耗する

キーワード選定の精度を上げても、検索されていない商材は取りにいけません。
その場合は媒体を変える判断が必要です。
シュワット株式会社の支援では、リスティング広告からMeta広告へ主戦場を移し、CPAを従来比で約1/3〜1/4まで下げました(事例インタビュー02)。

媒体ごとの向き不向きは、web広告の種類を一覧で比較で確認できます。

リスティング広告のキーワードに関するよくある質問

キーワードは何個登録すればいいですか?

1広告グループあたり5〜20個が扱いやすい目安です。
Google広告の上限は広告グループごとに20,000件ですが、上限まで登録する必要はありません。
意図が近いキーワードにデータを集約した方が、AIの学習も分析も進みます。

インテントマッチだけで運用しても大丈夫ですか?

除外キーワードの運用ができるなら問題ありません。
ただし指名キーワードと、意味を取り違えられやすい専門用語は完全一致で残してください。
日予算が数千円規模の場合も、拡張より確実性を優先した方が安全です。

除外キーワードはどのくらいの頻度で見直しますか?

配信初期は週1回、安定後も月1回は検索語句レポートを確認します。
季節要因や新商品の登場で、無駄な検索語句は後から発生します。
一度作った除外リストがそのまま使い続けられることはありません。

キーワードを登録したのに広告が表示されません。原因は?

主な原因は、検索需要がない・入札単価が低い・品質スコアが低い・除外設定と重複している、の4つです。
まずは検索数がゼロに近くないかを確認してください。
表示機会をどれだけ取れているかは、インプレッションシェアで判断できます。

キーワード選定は自社でもできますか?

本記事の6ステップに沿えば、初期設計は自社でも可能です。
難しいのは選定そのものより、配信後に毎週データを見て手を入れ続ける体制づくりです。
自社運用の現実的な難易度は、リスティング広告は自分でできる?で解説しています。

まとめ|キーワード選定は「足す」より「絞る」

キーワード選定の手順を、あらためて整理します。

  1. 軸キーワードを洗い出す
  2. 掛け合わせで広げる
  3. ツールで検索数と単価を調べる
  4. CVに近い順に絞る
  5. 意図単位でグループ化し、インテントマッチを主役に設定する
  6. 除外キーワードで配信範囲を締める

2026年、広告の設定作業そのものは誰でもできるようになりました。
差がつくのは、毎日どれだけの熱量でアカウントに向き合えるかです。
ClimbUp Agency代表の濱口は、月間2.5億円の予算を扱っていた当時、毎日異常値を確認し即座に修正する運用で結果を出してきました。

今のキーワード設定が適切かどうかは、他社の目で見た方が早く分かります。
無料のアカウント診断では、キーワード・除外設定・アカウント構成を確認し、15ページ超のレポートとしてお渡ししています。
運用代行の体制やご支援の範囲はWEB広告運用代行のサービスページ、ご相談はお問い合わせフォームから承ります。

参考文献

濱口 侑生

新卒で都内の大手Web広告代理店に入社し、運用コンサルタントとしてリスティング広告やMeta広告に従事。月間数千万円から2.5億円規模の大型予算案件を担当し、美容クリニック、不動産、旅行など幅広い業界で成果改善を実現。 「広告主への圧倒的なコミットメント」を追求するため、ClimbupAgency株式会社を創業。運用者一人の担当社数を最大4社に制限し、管理画面上の数値に閉じないマーケティング戦略立案から、タグ設計、LPOまで一気通貫で支援している。ビジョンは「共に歩み、共に登る。」。